勇者、追放
「レオン、お前はこのパーティーから抜けてもらう」戦士レジナルドはいった。
「え……? どういうことだよ、レジナルド! 僕はこのパーティーのリーダーだぞ!」突然そう言われてレオンは困惑する。
「多数決だ。これからは俺が新しいリーダーになる」
「なんで僕が追放されなきゃいけないんだ!?」
「聖剣に愛想を尽かされてただのお荷物になったのは誰かしら」魔術師ミーナが吐き捨てた。「剣がなければ、何もできない癖に」
「そ、それは……」レオンは、魔法を使い言葉を話す聖剣、アインベルダと喧嘩した。そして彼女は大鷲に変身してどこかへと飛び去ってしまった。剣から見放されたレオンは戦えなくなってしまったのだ。
「ごめんね、レオン」ヒーラーのアイシャが悲しげな目でいった。「私たちも、あなたを守りながら戦うのは負担なの」
「そんな……」レオンは絶望する。
「というわけだ」レジナルドは他の仲間二人を連れてレオンから去っていった。「じゃあな、役立たず」
「どうすんだよ……」レオンは困り果てた。魔獣の住む森に置き去りにされて、日が暮れようとしている。今の自分は戦えない。命の危険が迫っていた。