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 食後、リリベルが彼らのせいで食事が不味くなったと不貞腐れていると、ジャスミン嬢が、

 「リリベルさんの方が凄かったわ」と言った。

 あれからリリベルは生徒会長マレシオン様に、

 「次はカフェテリアに行って下さい!」と念押ししたのだ。

自分達の平和なランチの為に。

 「公爵令息が謝ったわね」と呟くようにダイアナ様が言った。

 「生徒会長が子爵令嬢の押しに負けて席に座るなんてダメじゃないですか?」とリリベルがプンスカ怒っていると、

 「あなたも生徒会長に約束させてたわよね?」

とダイアナ様が言う。

 「あれ?それも押しに入るのですかね?」

 「公爵令息を追い払えるのは殿下かリリベルさんくらいじゃない?」ってジャスミン嬢が言う。


 「 ……… 」

 ちょっと分が悪くなったリリベルは、

 「私、BENTOO屋でおやつ買って来ますので先に行っていて下さい」と若干逃げ気味に店に向かう。

 ヤツらのせいでご飯をお代わりができなかったのもある。リリベルは令嬢のクセによく食べる。


 BENTOO屋では、これまた“お米フェア”をやっていて“オニギリ”という大きな米の塊を購入したリリベルはご機嫌で教室に戻る。

 中身が“ウメボシ”と書いてあって「酸っぱいので注意」とあったのが、なかなか気になったのだ。

 

 戻る途中、ちょっと近道と思って中庭を横切ろうと茂みに入ると、なんか赤い物が見える。

 「まだトマトは植えてないが?」とリリベルが近付くと地面にしゃがんだ第三王子殿下がいた。


 「何で殿下がこんなところに落ちてるの!?」

リリベルは思わず叫ぶ。

 「だからそういうイレギュラーな事をすると出会うようになってるんですよ」

 「ギャー!シャーロットもいた!」

今日の昼は色々とツイてない。

 

 殿下も目を丸くして驚いている。

 「殿下!引き続き大きいの頑張って下さい!でも、できれば次回はトイレで…」

と小声で言ってリリベルは急いで立ち去ろうとする。

 「ちょっと待て!」と殿下がリリベルの腕をつかむ。

 「ちゃんと手、洗って下さい!」

 「だから勘違いするするなって!」

 「では、ごゆっくり茂みをお楽しみ下さい」

リリベルは早く立ち去りたい。だって近道したのに逆に時間をロスしている。

 

 その時、殿下のお腹から空腹を知らせる「グゥ〜っ」という音が鳴った。

 「殿下、まさか空腹で行き倒れ「違うって!」リリベルの言葉に殿下が被せてくる。

 「上級生の令嬢に追われてたんだよ!だから、たまたま、ここに隠れてたんだ」

 「ほぅ。ここで肉食動物から逃れ、子鹿のように震えてたと」

 「肉食動物しか合ってねえよ!」

 「だって足が震えてます。殿下」

 「しばらく隠れてたら、足が痺れたんだよ!もー何なのお前?」

 「ただの子爵…「この世界のヒロインです!」

 

 シャーロットっ!!

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