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 週明けの初日、第三王子殿下が初登校して来られた。なぜか3組に?!

 クラスの皆も大騒ぎだった。だって絶対1組だと思われていたから。リリベルの横でシャーロット嬢が、

 「強制力ね」と一人分かった顔で言っていたが、一体何のこと?

 王子殿下は燃えるような真っ赤な髪に青い瞳の、とてもインパクトのある美少年だった。

 まだ婚約者はいらっしゃらないらしいから女子の皆さんは嬉しそうな悲鳴をあげてらっしゃる。


 ダイアナ様が、

 「少しおかしいとは思っていたの。確かに1組は身分に関係なく成績優秀者が集められていると思ったけど、2組だけじゃなく3組にも案外高位貴族がいるのよね」と仰った。


 リリベルの後ろの席の、子爵令嬢ジャスミン嬢が、

 「さすがに4組、5組には伯爵以上はいないみたいだけど。殿下がどのクラスに入っても側近が作れるってこと?確か1組の子が1組はすでにぴったり30名だから今更、殿下は入れないって言っていたもんね。まー深く考えても私達には分かるわけないけど」と言った。

 

 それを聞いていたシャーロット嬢が、

 「だから強制力なのよ」と言う。

だからその強制力とは何のことだい?詳しい説明を求む。

 幸い王子とは席が近いわけでもないし、男女別れる授業も多い。学びたい属性を選べる魔法の授業は、一番不人気の地味な土属性を希望した。

 そう関わることもないよね〜とリリベルは思っていた。

 最初の方は。


 下級生の授業には貴族のマナーや作法、ダンスの授業も多い。マナーや作法は男女別も多いのだがさすがに今回は一緒だった。

男性が女性をエスコートする練習だ。これは相手が要る作法だしね。

 マナーも作法もダンスも本来は入学時点で、すでに家で家庭教師に学んでいることが貴族家では普通だが、中には予算的に全てを習得できていない貴族もいるのだ。うちのような貧乏貴族ね。

 

 幸いうちは侯爵家が援助してくれているし、マナーや作法は鉄壁の婆様仕込みだ。ダンスは父がプロ並みで、ララ姉は華やかに、マリィ姉は軽やかに、私はパーフェクトに踊るように仕込まれた。


 「リリは体力もあって運動神経が良いからね」って姉達の倍回された気がする。当時はキャッキャ言って喜んで回っていた。

“高い高い”はリフトだったんだなって今なら分かる。


 「おおっ」という歓声で我に帰る。リリベルが歓声の方を見ると殿下がクラスの侯爵令嬢のエスコートをされ「さすが殿下」と賞賛を浴びていたところだった。

 「何をされたんですか?」って隣りのダイアナ様に聞いてみたら

 「全く殿下に興味が無いのね?」と言われた。

 リリベルは真顔で頷く。

兄と姉に厳命を受けておりますからね。


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