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入学式が終わって各教室に移動する。
噂では同学年に第三王子殿下がいるらしいが、入学式では姿を見かけなかった。
姉君の王女殿下がこの国の南にある隣国に嫁がれるので、見聞を広げるためにご一緒しているらしい。
そう言えばララ姉ちゃんもバタバタと帰国して、また直ぐに出て行ってしまったのは、これのせいだったのかな?なんてリリベルが席で思っていると、隣りの席の令嬢に声を掛けられた。
彼女も子爵令嬢らしいが…
「ねぇリリベルさん、あなた前世の記憶があるの?それとも異世界からの転移者なの?」
「…何のことを仰っているの?」
リリベルは彼女が何を言っているのか分からず、聞き直した。
「え?とぼけているのかしら?それとも気付いていないとか…」
彼女の返答は、途中から独り言のようになっていった。
何だ?!めちゃくちゃ怖いんですけど!とリリベルが思っていると、その時「リリベルさん、彼女の言う事は気にすることないわ。彼女は恋愛小説の読み過ぎなのよ」と前の席に座る令嬢が仰った。
「私は伯爵家のダイアナよ。あの子は子爵家のシャーロット、王都の貴族令嬢の読書会でよく会っていたのだけど、最近、学園物の恋愛小説が流行り出してから何かおかしいの。前世とか異世界とか、ちょっと小説に影響を受け過ぎているのね」
とダイアナ様はそう仰った。
彼女が小説脳なのは理解したが、何でリリベルが前世とか言われないといけないのだろうか?できればシャーロット嬢とは関わりたくないなとリリベルは思った。
しかしシャーロット嬢は隣りの席なので、リリベルはなかなか逃げることができなかった。
「リリベルさんはピンクの髪ではないけど……でも金髪もありね」
キター!!意味不明発言!
リリベルも最初はまともに考えて疲れていたけど、最近は適当に流していた。
ダイアナ様も助けてくれるし、他のクラスメイトもリリベルに同情してくれているからだ。
とりあえずシャーロット嬢は授業中は大人しいし、授業の受け答えは普通だった。
寮の部屋は伯爵令嬢と同室だ。彼女の名前はリリアン様。
「同じリリね」って言って下さって、優しく親しみやすい方で安心した。
学院では伯爵家までは希望すれば一人部屋を使えるし、侍女も付けることができるが、リリアン様は何でもできるお姉様を見て育ち、自分も一人でできるようになりたいと二人部屋を希望したそうだ。
ちなみに彼女は1組だった。さすが学力もお考えも素晴らしい方だ。リリベルは彼女のような方と同室になれて良かったなと思った。




