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前世も異世界転移もありません!ただの子爵令嬢です!多分?  作者: 朱井笑美


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⑪番外編

 その晩の夕飯はまた大トカゲでもてなされた。

 リコピンも護衛のクセにちゃっかり席に座っている。多分、赤い髪に青い瞳だから王族と判断されたのだろう。

 まあこの場にはザック殿下の護衛もいるし東の騎士達もいるからいいんだけど、だけどあちらは気になるようだ。


「そちらの騎士殿は王族であるのだろう?」

「ああ国王陛下、ご挨拶が遅れて申し訳ないな。先程はそこの見た目妖精令嬢の後ろに控えていたからな。私は今は、そこの見た目妖精令嬢の護衛だ。良ければリコピンと呼んでくれ」

 見た目妖精令嬢ってそんなに何回も言わないとダメか?


「彼の母が元王女で彼は父の従兄弟にあたります」

「おぉではやはり王族なのかリコピンよ」

 順応早いな王様。


「まあ!でも今はなぜ、そこの見た目妖精令嬢の護衛を?」

「面白いからな」

「なるほど…羨ましいな」

「本当ね」何がだ!?


「で、そこの見た目妖精令嬢の護衛の前は何を?」

「王国騎士団の団長をしておりました」

「おお!騎士団のトップじゃないか」

「ちなみに公爵でした」

「まあ!なのにそこの見た目妖精令嬢の護衛に?」

「ああ面白いからな」

「いいなぁ」

「本当ね」その話…まだ続くのか?

 ザック殿下が辛そうだ。間もなく沸点超えるな。


 そしてリコピンはきっと初めてだろうな。

 リリベルはリコピンを横目にそう思って言ってみた。

「リコピン、今、食べてるお肉、トカゲだから」


「ブフォ〜ッ!!」

 盛大にやらかしたな。

 そしてザック殿下も決壊した。あ〜あ。


「お嬢っ!!何で食べる前に言わない!」

「だって騎士だし平気かなって思ったから」

「俺は虫はいけるがニョロはダメだ!カエルは良くてもオタマジャクシはダメなんだ!」

 自分の弱点曝していいのか?って事はヘビもダメか。


「リコピンが、見た目だけ妖精とか言うから復讐されたんじゃないの?」

「そうだレディに容姿の事を言うなんて」

「でも妖精は復讐なんてするのかい?」

 殿下方、とても冷静だ。本当に大人達がゴメンね。


 翌日は伯父に頼んで火山の国のグルメガイドブックを出している出版社を訪問した。

 社長さんは突然の訪問に驚いていたけど、リリベルが「あのガイドブックが役に立ちました」とお礼を申し上げると喜んで下さった。

 

 社長の娘さんが火山の国に訪問した際に出会いがあって、あちらに嫁いでもう長いのだそうだ。なので火山の国のガイドブックは全て娘さんからの情報らしい。

 最新の本が出たばかりなので最新号をプレゼントして下さった。


 そして私の名前を聞いて「今、火山の国で流行っているのはテキーラをアップルワインで割ったカクテル“リリベル”なんですよ!偶然ですねぇ」と仰ったので、本の表紙を見てみると題名が「カレー食べ歩き!火山の国“今、最新カクテル、リリベルが熱い!”」って書いてあった。

 隣でザック殿下とリコピンが盛大に笑っていて、リリベルは頂いたばかりのガイドブックを、つい手形が付くほど握りしめてしまった。


 その後、以前、訪れた雑貨屋や一番上の伯父と取引のある職人にいくつか宝飾品や魔道具の依頼などをして王城に戻ると、ウサギが「指輪ができてるよ!取りに来て」と教えてくれた。

 ちゃんとお仕事しているウサギに、お土産で買ったピンクのハートのクッキーをあげると、凄く喜んでくれた。


 ザック殿下と二人で神様の元に伺うと、出来上がった指輪が入った箱をくれたのだがフタが開かない。

「あれ?」と思っていると「それ、本番まで開かないから」って言われた。

 

 中身が見れない!?

 なんてリスキーな物をくれたんだ!だけど神様からのプレゼントを無碍にもできず、とりあえず頂いておいたけど‥‥

「念の為、保険の指輪いるかなぁ?」

 ザック殿下の呟きに賛同しそうになったところで、ウサギがクッキーを飲み込んだのか、また「ゲフゥッ」とゲップをしたので有耶無耶になった。

 

 夕飯時にリリベルは伯父に、辺境伯が間もなく産まれるお子様に名前を付けて欲しいと仰っていたと伝えると、「そうか〜私でいいのかな?本当は神様に付けてもらいたいんじゃないのか?」と仰った。確かに。


 でもあの奥ゆかしいお二人は神様になんて言えなかったのだろう。だからせめて神の司書にって思ったのかも。

「神様に頼んでも大丈夫ですかねぇ?」と伯父に尋ねると「大丈夫だよ。だってそこの侍従の初孫の名前も神が付けてくれたよ」と陛下が仰った。なんて事だ!


 陛下の後ろにいた年配の侍従さんはモジモジしながら「お恥ずかしながら〜」と仰った。

 すると伯父の肩のウサギが「任せとけ!」と言う。ウサギの目をたどるとピンクのメレンゲを見ている。あれか?


 「ちなみに侍従殿のお孫さんのお名前は何と?」

 ザック殿下が気になったようでお聞きになった。

「はい。初孫は娘でしたので“ラビィ”になりました」

「おお可愛いねぇ」と陛下は言うけど、ラビィ?もしかしたら次はバニィになるのではないか?!

 ザック殿下の目も「そうなるぞ!」と言っている。


 リリベルはウサギからメレンゲを取り上げる。

「あぁっ!」と悲しい悲鳴があがるが、本来ヌイグルミは食べ物は食べない。

 そして「やっぱり伯父様が考えて下さい!」と伝える。


 翌日、帰る時に伯父は「辺境伯には私も兄も随分、世話になっているから子供が産まれたら祝いを持って会いに行くよ」と言って下さって、後日、辺境伯のお子様には立派な名前が付いた。

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