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前世も異世界転移もありません!ただの子爵令嬢です!多分?  作者: 朱井笑美


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 何が起こっているの?!

 殿下と一緒に唖然と見ているとリリベルのペンは東の神様の、青薔薇の栞は北の女神様の、髪留めは西の女神様の姿をとった。

 三人は姿を現すと互いを見渡して「やっと会えた!」と言いながら抱き合った。

 ラント様が仰っていた“神様の思惑”ってこの事だったのか。


 互いの国では制約があって入る事が出来ない。

 制約の無い南の国ではドラゴンの影響が強くて出てこれなかったんだ。だからラント様にドラゴンの影響が少ない所って仰っていたのね。

 ちゃんと説明してくれたら、もっと早く解決してあげれたと思うんだけど。回りくどいよね?と思って見ていると。


「本当に君に似ている…」ザック殿下が呟いた。

 確かに西の女神様は自分ではよく分からないが似ているのかもしれない。東の神様はお会いして知っている。北の女神様は髪は白銀で水色の瞳だけど、三人共とても顔が似ていた。


 神様の涙ながらの再会を殿下と見守っていると、サオリが北の女神様に擦り寄った。

「あっサオリ!空気読まないな…」

 そして空気を読まないのは、この店の住人とオジサン達もだ。

 恐らくこの部屋が光ったことで異変に気付いたのだろう。

 バタバタと輩達がやって来た。


 わっどうしよう?とリリベルも一瞬思ったけど、神様達の大事な逢瀬の邪魔をした罪は重い。

 全員、集まったと同時に石にされてしまった。北の女神様の一睨みで一瞬だった。マジ怖い。

 はい、ゴメンなさい。私達も壁と同化しますって思える瞬間だった。でもバナナにされなくて良かったね?とどうでもいい事を思ったのは秘密だ。


「サオリはアイツらが来るって女神様に知らせたのかな?」

 ザック殿下がそう仰った。

 そうかもしれないけど、単に主人に甘えただけかもしれない。サオリは本当に不思議な馬なのだ。


 神様達は再び自分達の世界に入るが、様子を見ていると何だか懺悔が始まった。

「お姉様。本当にゴメンなさい。お姉様が気に入っている人を奪おうなんて、これっぽっちも思っていなかったの!」

「分かっているわ。お前のせいじゃないって。でもあの時は私も「またか!」って、つい感情的になってしまったの。この子に止められたのに、その事にも腹が立ったわ。お前まで妹の味方をするのか?って」


「私も姉上の気持ちを考えなさ過ぎたよ。姉上は13連続で、この子に意中の人を奪われたんだって失念していた」

 13連続!?それってトンデモなくね?

「良いのよ。この子に簡単になびく男共なんて、所詮、13人共その程度の男だったのよ。それにこの子は自分から誘惑する子でもないわ」

 そう言って北の女神様は妹神を抱き締める。


「姉上、妹よ、もう少しで夜が明ける。残された時間は、あと少しだ」

「本当だわ。そうね」と言って三人は殿下とリリベルを見る。

 ギャー!邪魔は致しません。何ならこの部屋からさっさと出ます!と殿下にしがみ付くと、ザック殿下も緊張されている感じが伝わってくる。


「本当に可愛い二人ね?」北の女神様が仰った。

「お姉様、怯えさせないで。とても変わってて面白い子なんだから」

 女神様!微妙にディスってる?

「プッ」東の神様が吹き出した。どこにオモシロ要素が?


「ちょっと時間がかかって心配になったけど、私達を会わせてくれてありがとう」

「‥‥サマ、サマ〜?」

「何で!今、火山の国の言葉が出てくるんだよっ!」

 ザック殿下が鋭く突っ込んだ。

「だって!火山の国の人に“ありがとう”って言うと、いつも『サマサマ〜』って返ってくるんだもん!」

 空気を読まないのは私も同じだった。


 だけど東の神様がお腹を抱えて笑ってらっしゃる。

 北の女神様は感情の無い目をしてらっしゃる。

「ほら、こういう子なのよ。だから楽しいの」

 って我々の女神様は仰った。さすが慈愛の女神様だ。


「お礼に何か願いを叶えるわ。何がいい?」

 と聞かれたが、そんなの咄嗟に分からない。

 それにリリベルの目的は、ほぼ果たされたから今は望みもない。

 だけど聞いてみる。


「南の国で魔力を持たない人が産まれてくるのはなぜですか?それを止める事はできませんか?」と。

「悪いけど、南は管轄外なの」

 西の女神様が残念そうに仰る。

「人はいつだって私達が居なくても解決してきただろ?」

 引き篭もりだった東の神様が仰ると、その通りだと思える。


「お前は何かないの?」

 北の女神様がザック殿下に聞いた。

「俺は…私は…」殿下がサオリを見る。殿下まさか?

「私はスネイプニルに乗りたい!」

 わーやっぱり!北の女神様は目を丸くした。

 多分、意外な申し出だったのだろう。


「そんな事でいいの?」

 だけど直ぐに、そう仰った。リリベルも頷くと北の女神様はサオリを呼んで、サオリに何かを伝えている。

 サオリはザック殿下を見て首を傾げているが納得したのか鼻をブルルッと鳴らした。

「その子が認めたから、きっと他の子にも乗れるはずよ。だけど…」

「だけど?」

「毎日、バナナが欲しいそうよ」

 サオリッ!バナナで買収された!!

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