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前世も異世界転移もありません!ただの子爵令嬢です!多分?  作者: 朱井笑美


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 リリベルが本日もテントの様子を見ていると、女王陛下とオッサンらの雰囲気は何だか険悪だ。恐らく御一行の中で一悶着あったに違いない。護衛様が出て来ていつもの庭の外れに座る。


 リリベルが側に駆け寄ると「君はいつも私がここに座ると近寄って来るな?」と仰った。

「護衛様はいつも悲しそうだから、話し掛けたくなる」そう言うと

「そうか。見習い少年は優しいな。私も君と話すと気が紛れるよ」

 といつもの悲しそうな笑顔だ。


「護衛様、ドーサ!マサラドーサ!」

「ドーサか。それもよく食べる料理だよ。米は母国でも生産されているが南の国からも輸入されているからね。我々の国は国土は広いが砂漠も多いから米や小麦は輸入も多い。だが代わりに魔力石の輸出や鉱物資源が充実しているんだ。金の産出はきっと世界一だ。ルビーの質は北よりいいぞ」

 金とルビー?やはり赤と金なんだ。


「小麦は西の大陸から船で来るんだ。陸路より多く運べるだろ?」

 海路?でも最近まで海賊被害があったな?

「海賊被害は大丈夫だったのですか?」

「見習い少年はそんな事まで知ってるのか!実は火山の国でも海賊被害には困っていたんだ。だから大規模な取り締まりと共に『海域では西の聖女の守護壁も無いぞ』と情報を流したら、海賊どもが続々と北上したんだよ。お陰で楽に追い払えた」


 お前達のせいか!リリベルは絶句した。

 だが、国防とはそういうものだ。無駄に戦わずに済めば人命も守られる。厄介なものは、やっつけなくても追い払えればいいのだ。

 だが伯父辺りが聞いたら何か報復しそうだな。

 もう解決したんだし、黙っとこうとリリベルは思った。


 今日の午後、ガブリエラ様とエリオット様、神官様の三人に、南の王太子殿下が立ち会って女王陛下と面会するそうだ。

 補佐官のおニ人は神官様の証言の下、正式に呪いや(まじな)いについて抗議して縁談を断るのだそうだ。それで諦めてくれるといいな〜とリリベルは思う。


「護衛様は女王様をお好きですよね?」

「‥‥少年?」

「愛していれば、王配とか2番目とか、そんな事よりも女王様を誰かと共有する事の方が辛いですよね」

「そうだな…」はい。あなたが王配決定です!

 悪いけど、もう少し突っ込ませて頂きます。


「女王様も、赤い髪が理由と言うだけで10も年下の少年を娶って、愛するあなたを2番手になんて…本望ではないのでしょう?」

「…もう互いに散々、話し合って納得したんだ」

「そんなに辛そうなのに」

「だから国益と我々の想いは別だと言っただろう」

「あの偉そうなオジサン達のせいではないのですか?」

「君には関係ない。これ以上、踏み込むなら君とはもう話せないな」


「ゴメンなさい。護衛様が可哀想で」リリベルが悲しい顔をすると

「あぁっ、こちらこそ心配かけて済まない」

 と慌てて仰った。やっぱり護衛様は良い人だ。お陰で分かった。

 あの宰相の弟とやらのオヤジ達が元凶だ。


 しかしその命令は宰相からなのだろうか?午後の会談が行われたが、やはり火山の国側は呪いも(まじな)いも知らぬ存ぜぬを貫いたそうだ。

 だからザック殿下が回復したら会わせろと交渉は難航したそうだ。


「王女殿下、いらっしゃいますか?」

「わあ嬉しい。ビーバーちゃんから会いに来てくれたの?」

 リリベルは王女殿下のお部屋を見渡して微笑む。

「どれが一番面白かったですか?」

「うん。どれも根性無しでさっ。張り合いはなかったけど、まあ楽しめたよ」

「じゃあ、ぜひお礼をしましょう?」

「そうだよね?直ぐ取り掛かるねっ!」


 王女殿下と別れてリリベルが厩舎に向かうと「リリベル嬢、女王陛下がさっき馬達を見に来たよ」とラント様が仰った。

 良かった。女王陛下とバッティングしなくて。

 どうやら補佐官との交渉の後に寄ったらしい。

「どんなご様子でしたか?」

「ああ。あの護衛を従えていたが、思い詰めたように白馬達を見ていたな」


「そうですか。サオリ達はどうですか?退屈していませんか?」

「そうだな。そろそろ乗ってやらないとな。タナカはいいがサオリはやはり君じゃないと駄目だ。私の事は乗せたくないみたいだ」

「そっかー。サオリは難しいな〜」

 リリベルはラント様と馬の世話を交代して、もらって来た野菜や果物を持って馬達の方へ向かった。


「ザック」「ラント兄上!見てアンドリューが笑った」

「すっかり子守りが上手になったな」

「ハハっ外出できないからな。それに姪しか居ないから甥っ子は新鮮だ。こいつ赤ん坊なのに凄い力が強いんだ!きっと龍を名前に貰えるぞ」


「さっき白馬達を女王一行が見に来た」

「リリベル嬢は大丈夫だったか?」

「ああ、ちょうど彼女が居ない時だったからな。すごい食い入るように馬達を見つめていたが…」

「兄上、何か気になるのか?」

「いや。神獣に対する思い入れが強いのかなと思っただけだ」

「そりゃ、この赤い髪に必死だからな」


「髪と言えば、馬達もだろう?お嬢が言うには金髪じゃないとサオリは特に受け付けないんだろ?」

「リコ、それは多分、スネイプニルは基本は北の王族しか乗せないんだ。サオリは特に」

「成程な〜。スネイプニルの中でも他の馬と違うんだろ?北は、よくそんなのお嬢に寄越したな?」

「リコピン、多分、サオリの方が彼女を気に入っているんだよ」

「そうだな子爵領も好きみたいだしな」

「変な馬だな」

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