表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前世も異世界転移もありません!ただの子爵令嬢です!多分?  作者: 朱井笑美


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

294/371

289

「まあ!アイザック殿下、またお会いできて嬉しいわ。こちらの要望にこんなに早く応えて頂けるなんて」

「いいえ。夏振りですね、女王陛下。こちらとしてもモヤモヤとしたものを抱えたまま、年明けまで待つのは性に合いませんので。それでご要件は?」


「私はアイザック殿下とお二人でお話ししたいのですけどね」

「それはなりません。殿下は成人しているとは言え16歳です。我々の国では成人の単独の契約ごとは18歳以上からと決められております」

 全くの嘘だが。宰相補佐官は顔色を変えずしゃあしゃあと述べる。

「王族の権限で人払いをなさいませ、殿下」

 だが女王も負けていない。でもここで人払いできず保護者同伴を通せば更に子供だと判断され、御してこようとするだろう。


「分かった。王族同士の話だ。うるさい外野は排除しよう。だが二人きりは避けたい。それはそちらもでは?」

「まあ確かに年頃の男女の会談ですもの当然ですわ。では私はこちらの護衛騎士を。そちらは?」

「私は侍女を」

 銀の髪に紫の瞳の侍女、彼女は最近復帰した姉の侍女兼、乳母だ。

 性格も義姉上か?!というくらい似ている姉の懐刀だ。


 こちらの西から連れて来た人員は全員、女王に顔が割れている。だが姉のこの侍女だけは女王と出会した事がない。

 女王は侍女をチラッと見て「良いでしょう」と言いテーブルに着いた。


「では私の提案ですわ。恐らくもう想像なさっておいでかと思いますが、アイザック殿下との婚姻を火山の国は提案致します。相手は私です。そしてアイザック殿下はもちろん王配としてです。私はご存知の通り既婚者でありますが、王族や高位貴族は伴侶を複数持ちますの。だから我が国ではこれは特別な事ではありませんわ。私の最初の夫は伯爵家出身ですの。ですから喜んで王配の座を殿下にお譲りすると言ってくれましたわ。いかがですか?」


「女王の王配の座か。だがあなたは初婚ではないし、私はあなたより10歳、年下だ。それに元いた伴侶を押し退けてまで王配に収まるのはどうも気が進まないな。だが2番手も望まない」

「アイザック殿下!あなたは第三王子ではありませんか。国では王位には、そう近くはないのではありませんか?ですが私の元にいらっしゃれば王配です。国で2番目の地位です。それにあなたとの子が次期、国王になる可能性もありますわ」


「はっきり仰って頂きたい!女王陛下。あなたの望みは私ではなく私の赤い髪にあるのでは?違いますか?」

「ええそうです。赤い髪は、南では藍の色が国の色であるのと同じで、我が国にとってとても重要な色なのです。元は我々火山の国の王族の色。だから帰って来て頂きたいのです、アイザック殿下」

 女王は切実な瞳を向け、真剣な様子でアイザックに語り掛ける。思わず、頷いてしまいそうになる程だ。


 側に控えるこの侍女が居なければ危なかったかもしれない。

 侍女は義姉に雰囲気が似ているだけではなく、時々、後ろからアイザックを女王に見えないように棒のような物で突いてくる。

 でもその度にハッとするのだ。

 さすが女王だ。16歳如きの若者の人心掌握などお手のものなのだろう。


「アイザック殿下、でも私の関心は赤い髪だけではありませんわ。夏にあなたと短い時間とはいえ、接する事であなたに男性として魅力も感じましたの。あなたが私の側にいて下さったらと思ったら、私ったら飛んで帰ってあなたを迎える準備をしてしまいましたの。ねえ殿下、確かに私は歳上ですわ。ですがあなたをきっと退屈させませんわ。年を重ねた分だけの魅力を教えて差し上げたいわ」


 その時、棒がブスッと背中に強めに刺さる。

 おいっ!俺に女王に対する怒りをぶつけてないか?侍女よ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ