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 マンゴーの実は美味しかったし、貴重な果物を見たり試食できたりしたのは嬉しかったけど、どうしても王太子殿下のあの言葉だけは気に触る。

 「緑色のベルは人を誑かすだけ…」だったら“水色のベル”はどうだと言うのだ!!

 たかだか瞳の色の違いじゃないか!あの場は珍しいマンゴーという果物を食べれることに誤魔化されたが、やはりやはり許し難い!

 

 帰宅後リリベルは夕飯の席で皆に、王太子殿下に言われたことを報告する。

 皆、一瞬、顔を真顔にすると、その後無言になる。まさか同意している訳ではないよね?

 兄が「緑色のベルは人を誑かすか〜意外と的を射てないか?」と言ってくる。自分は水色だからか!?


 「ナル兄!王太子殿下の言い方は“緑色のベルは人を誑かす能力だけだ”という感じで仰ったんだよ」とリリベルが言うと、

 「そうか、それは王太子殿下と言えど失礼な発言だよなぁ」

 「自分も誑かされた口だから、腹いせに言ったのかしら?」

 「いや、どうも自分も誑かされたから、それ以外の能力まであるのか?という驚きの意味では?」

 と色々意見が出たけど“王太子殿下が兄と姉に誑かされた”という意見は一致なんだな。とちょっとリリベルの溜飲が下がる。


 しかし誑かすだけではない実力を見せてやろうではないか!リリベルの負けず嫌いが発動する。

 「とりあえず王太子殿下!やられたら倍返しよ!」リリベルは立ち上がって、伯母に指示を出す。


 「伯母様!例の物、やっちまって下さい」

 伯母の目が輝く「リリベルちゃん、本当にいいの?」

 「モチのロンよ!」リリベルが腕を組んで言う。

 兄が「お前、ルト兄も犠牲になるって分かってるか?」と聞いてきた。

 ふっ。ルト兄、骨は拾ってあげるわね。


 「ベルナルドお兄様、もう止められないわ。だって伯母様、スゴイ勢いで飛び出して行かれましたもの」

 ルト兄は深い溜息を吐いた。伯父様は拍手喝采している。アイオット様は静かに何かの指示を執事に出していた。


 そして侯爵夫人が「緑色のベルが人を誑かす能力の方は否定しないのね」と一人冷静に仰っていた。


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