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「という内容なんだが…」
「それで我々の中では断トツで一番悪いのは黒いカラスという話になったのですが、次は神なのか白いカラスなのか?という議論になった訳です」
「まあ。それで学院のあちこちでカラスがと聞こえてくる訳ですね?」
「そんなに聞こえるのですか?」
「ええ、皆さま気になるようでカフェや食堂でも話題にされて。それに図書室には、わざわざ原文を探しにくる方もいらっしゃるようですわ」
「原文があるのか?!」
「はい。この問題は神話の中の教訓の逸話集を題材にしているようです」
とフィジー嬢がお答えになった。
「王族の教育には使われることもあったと聞いておりますが」
「ザック殿下、ご存知だったのですか?」
「いや。知らない初めて聞く神話だ」
「だから今回、テストの題材に選ばれたのですね」
「答え方として、一番悪いのは黒いカラスで理由は〜。次に悪いのは〜という答え方で良かったと思いますか?」
「通常はそうでしょうが、私は違うと思います」
「え?フィジー嬢。だって問いは悪い者順に並べて理由を答えろだけですよ」
「私も違うと思うな。それだけだと恐らく配点は半分くらいだろう」
「ザック殿下!?リリベル嬢もですか?」
「私は、そもそも誰が一番悪いのかという順位自体もどうでもいいのではと思いました。恐らく自分が考えた理由が大事なのでは?と」
「そうですね。恐らく順位を聞いたのは理由を書き出しやすくする為の配慮なだけです。本質は理由でしょう」
「ええっ!フィジー嬢、では、あなたはどのようにお答えになるのですか?」
「話し出すと長くなりますがいいですか?そもそもこの神話には続きがありますし、神話の成り立ちから〜「あ!もういいです」
フィジー嬢のうんちくは確かに長引きそうだ。
それに彼女だったら、この問題だけを取り上げ時間一杯、ひたすら答えとうんちくを書いたに違いない。
教師陣は、ちゃんと学年ごとに学院生の特色を見て出題しているんだ。
翌週、テスト結果の順位が出た。
予想通り2学年の平均点数は低く生徒会役員も散々な成績だった。
だが学年トップは同率1位でザック殿下とリリベルだった。
リリベルの場合、事前情報をいただいて、ズルした気持ちで少し後ろめたかったのだが「俺も情報があったから気にするな」と殿下に言われた。
「俺たちは今回、南の国に行っていて帰国もギリギリだったし仕方ないだろ?」
と仰ったので、今回はそういうものかと思うことにした。
そしてリリベルは役員の令息達にも謝られた。
「マレシオン様にリリベル嬢には情報を渡すなと言われたんです!」と。
どういう事だ?とリリベルが思っていると
「会長、今回、帰国の馬車の雰囲気が最悪だったってお聞きになりましたか?」
とアイオーン様が仰る。
「はい。シャーロット嬢やリリアン様が仰っておりました」
「従兄弟は今回の旅で、会長との仲が上手くいかず、しかも他の仲間に邪魔までされたと思い、今、闇堕ちしているんです」
闇堕ち!?何だそのダークなワード!恐ろし過ぎる!
「従兄弟はアイザック殿下の側近の第一人者ですので、彼に嫌われたら側近を外される可能性があるので、殿下の側近達は従兄弟の指示に従うしかなかったんです」
「それはザック殿下の意思と関係ないではありませんか!」
「ザック殿下が従兄弟に側近を束ねさせていると言ったら分かりますか?」
成程、そういう事か!マレシオン様はザック殿下にとって側近というよりも腹心の部下という事なんだ。
でもそんな…マレシオン様が闇堕ちしてるって…。
「マレシオン様、悪役令息に目覚めたってことですか?」
シャーロット!顔が喜んでます。不謹慎ですよ!




