表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前世も異世界転移もありません!ただの子爵令嬢です!多分?  作者: 朱井笑美


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

243/371

238

 新学期が始まった。

 始まって早々、明日は学力テストだ。

 テストは選択科目の筆記もあるが2学年や最高学年の場合は、人によって受けている授業数も科目内容も異なるので順位は必須教科だけで出される。

 ただし選択科目ごとでも順位は出されるので、期末では実技も含めて総合で1位の数が多い人が首席となるらしい。


 今回は学力だけのテストだがリリベルはザック殿下と夏休みギリギリで南の国から戻ってきたので学力テストの対策が全くできていなかった。

 1学年の時は、すでに学んだ内容の復習みたいなものだったが2学年は違う。特に選択授業は新しい内容も多い。

 生徒会長としてお粗末な成績を取ったらどうしようと思って教室に入る。


「おはようございます。会長」

 先に教室に来ていた役員達に挨拶される。

「おはようございます」

「新学期に間に合って良かったですね。僕達、心配してたんです」

「はい。なんとか戻れましたが、テスト対策がヤバいです。何も勉強できていません。皆さんは大丈夫ですか?」


「あ〜」侯爵令息達は言葉を濁している。なんか彼らの様子が気になるが、テストは自力で頑張るしかないだろう。ザック殿下もお見えになって、間も無くしてホームルームが始まる。

 今日はとりあえず授業はなく、明日のテストの説明だけで終了だった。


 令息達は明日の勉強がありますのでと、そそくさと帰って行ったが、シャーロット嬢とリリアン様とカフェで少しお茶をして帰ろうという話になり、学院内の2学年の教室に近いカフェに向かう。

 席に座るとシャーロット嬢が開口一番

「あの人達は公爵令息側につきました」と。

 一体何の事だ?


「帰りの馬車で落とされるなんて」だから何の話なの?

「仕方がないわ。シャーロット嬢。あの居た堪れない雰囲気を長時間よ。彼らはああするしか」

「帰りの馬車で何か?」

「公爵令息がずっと不機嫌丸出しの無口だったんです。道中ずっと」

「それで令息達が我慢できなくなって、とうとうご機嫌を取り出して」

「出して?」

「公爵令息の肩を持つように…」


「リリベルさん、ごめんなさい。私の力不足だったわ。後はヒロインパワーで頑張って下さい!」

 さっきから全く何の話か分からない。マレシオン様が不機嫌で何だと言うのだ。ヒロインパワーを使う場面なの?

 リリベルが難しい顔をしていると、シャーロット嬢が

「リリベルさん、とりあえず、これから生徒会室に寄ってから帰って下さい。さすがのリリベルさんもお困りでしょう」と。


「彼らは、もう信用なりませんわね。殿下の側近でらっしゃるのに」

 リリアン様も何だかご立腹のご様子。

 リリベルは状況がよく分からなかったが、とりあえず二人とは別れて一人で生徒会室に向かう。今日は誰もいないんじゃないのかと思いながら、リリベルが生徒会室に入ると、マリアンヌ嬢とフィジー嬢が「お帰りなさい!」と出迎えて下さった。


「マリアンヌ嬢、フィジー嬢、いらしてたんですか!夏の間、お元気でしたか?お土産ありますよ」

 と言うと二人がニッコリ笑って、ソッと封書を差し出してきた。

「会長、聞きましたよ。南で大変な事に巻き込まれたんですよね。お疲れ様です」

「お戻りもギリギリだったと聞いています。これ、私とフィジー嬢が集めた情報ですのでどうぞ」


 二人がくれた物を見ると2学年の学力テストの情報だった。さすが高位貴族!

「うわーん!二人共ありがとう!大好きです」

 と二人に抱き付くと「他の皆様には内緒ですよ!」と言われた。


 そんな特別扱い、私だけいいのだろうか?!リリベルが躊躇していると

「どうせ、令息方も皆様、情報をお持ちですよ」

 とマリアンヌ嬢が仰った。ただリリベル用は選択科目までフィジー嬢が監修したスペシャルらしい。

 背に腹はかえられないので、リリベルは有り難く情報を頂いておいた。そしてお土産に南の和紙という紙で作られた扇子を二人に渡す。


 そう言えば、すっかり忘れていたがマリアンヌ嬢の姉君は王太子妃様の侍女ではなかっただろうか?南で一度もお会いしていない。

 その事をマリアンヌ嬢に伝えると、なんと姉君は王太子殿下のご側近と結婚なさって、王太子妃様より先に懐妊され今は産休中なのだそうだ。

 王太子妃様がご出産されたら、そのお子の乳母になるのだと張り切ってらっしゃるのだと聞いた。


 道理でいらっしゃらなかったはずだ。

「私が南に行けたとしても、多分、会えなかったと思いますのでお気になさらず」

 とマリアンヌ嬢は仰った。

「会長、テストが終わったら実はお願いがあるのです」

「はい?何でしょうか」

 ちゃんと説明したいのでテストの後にと言われ、とりあえずお二人とも別れてリリベルは帰宅した。


 さあリリベルはこれからテスト勉強だ!

 生徒会長なんかじゃなかったら落とさない程度に頑張るだけだったのにな。

 リリベルは情報の束を見て今日の徹夜を覚悟した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ