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前世も異世界転移もありません!ただの子爵令嬢です!多分?  作者: 朱井笑美


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 お城の下まで来ると上から氷がパラパラと落ちてくる。

 分厚い氷で風の刃から守っているようだが、連続で風魔法が撃ち込まれている。


 風と比べて氷魔法の連続防御は、いくら水属性でも辛いはずだ。

「リリッ!」ライオット兄が風魔法を強風にして刃の向きを変えている。

 防御する側も風の刃を出して攻撃にぶつけるよりは、強風で複数の風の刃を逸らす方が効率良く防げる。


「危ないから近寄るな!」って叫んでいるけど、そもそも風は防御にはあまり向かない。火炎魔法には特に。

 防御力が一番高いのは土魔法なのだ。

 

 風の刃を受け、城の壁にも所々ヒビが入っている。

 まだ王族の方々がお城から避難してきた様子も無い。だったら建物も守らないといけない。お城は木造だが壁は土壁だ。

 リリベルはお城の壁に手を当てる。

「ごめんね、お城。また建て直してもらってね」リリベルは壁に魔法を込める。


 想像する。硬い壁を。風の刃も通さない硬い硬い壁。窓もテラスも硬い土で覆う。火炎魔法の熱も通さない強い壁。

「リリベル頑張れ!」エリオット様も強風魔法でリリベルに攻撃が当たらないように風の刃の向きを変えてくれていた。


 しばらくすると「ガンッ」と刃物で石を叩くような音がし始めた。リリベルの土魔法が城に行き渡ったのだ。

 どんなに風魔法を撃ち込んでも「ガンッ」と音がするだけだ。炎も弾いてしまう。

 多分、リリベルよりも強力な魔法で強度のある刃を作れなければ破れない。


 ああ…だがお城の外観がヤバいな。

 リリベルのせいで白鷺のようだったお城が、大きな白い蟻塚みたいになってしまったのだ。

 魔法の音も止んできた。恐らく武士達が犯人の元に辿り着いたのか?!城から少し離れた場所で大きな声が聞こえるから武士と犯人達がやり合っているのだろう。


 リリベルが城の下部の魔法を解いて出口を作るとザック殿下が飛び出して来て叫んだ。

「やっぱり!リリベル嬢っ!」

 はい。お城を蟻塚にした犯人です!

 だがザック殿下の御用はそこではなかった。


「直ぐに来てくれ!リリベル嬢」

 ザック殿下の切羽詰まった様子に、リリベルも急いで城の内部を駆け上がる。

 3階部分に上がった開けた場所で、王太子殿下が真っ青な顔で座り込み、王太子妃様に支えられていた。

 国王陛下も第二王子殿下もあちこち出血しているようで肩で息をしている。


 リリベルがその様子を見渡すと、国王陛下が「王太子だ。彼の出血が一番酷いんだ」とリリベルに向かって仰る。

 リリベルは王太子殿下に急いで駆け寄る。

「リリベル嬢!ジョーが私を庇って…」

 妃殿下が衣類で押さえているが、王太子殿下の脇腹付近から血が流れているの見える。


 リリベルはすぐに脇腹に治癒魔法をかけていく。

 みるみる傷は塞がり命に関わる傷はとりあえず治癒したが、王太子殿下は意識を失くされてしまった。

 きっと見た目より出血が酷かったのだろう。

 王太子妃様は王太子殿下の手を握って「ジョー、ジョー」と呼びながら泣いている。


「もう、傷は治癒しましたから大丈夫ですよ。あとは血の量が回復すれば」 

 とリリベルが言うと「本当に?良かった」と仰って彼女も気を失った。

 ずっと張り詰めていた緊張が弛んだのだろう。ザック殿下が姉君を抱き留める。


 リリベルは国王陛下と第二王子殿下の傷も治癒していく。

 それから直ぐに武士達が上がって来て、王太子殿下は城から運び出された。

 陛下と第二王子殿下は自力で下に降りられたが、国王陛下はリリベルが変えてしまったお城を見て唖然としてらっしゃった。

 どうか後で新しくリフォームして下さい!

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