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前世も異世界転移もありません!ただの子爵令嬢です!多分?  作者: 朱井笑美


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 でもおかしい。本来、そろそろ肩に付いてもおかしくないはずの髪が伸びていない。何でだ?


 「私は令嬢に戻れていなければ、派遣メンバーには入れないとお伝えしていましたよね?どうしますか?」

 どうしますか?と言われましても…。


 「マレシオン様!お待ち下さい」

 「どうしましたか?アイオーン」そうだった。マレシオン様とアイオーン様も従兄弟同志だ!

 「僕も、もう3ヶ月ほど髪を切っていません。他の皆様はいかがですか?令嬢方は元々、長いのでお気付きにならないかもしれませんが」

 

 「どういうことですか?もしかして生徒会の皆の髪が伸びていないとでも?」

 「僕もそう言えば切っていません。いつも父と同じタイミングで、髪を切るのが上手い使用人に一緒に切ってもらうのですが、今回は気にならないと感じましたので」

 昼食時に殿下のサロンに全員が集まる訳でもない。だから今いる役員しか確認できなかったが令息達の数人はやはり髪の伸びが遅いと感じたようだ。


 「確かに私も切っていない。放課後、役員が全員揃った場で、再度確認してみよう。それでいいか?マレシオン」

 「そうですね。おかしな事ですが、もしこれが偶然でないのだったら原因を突き止めないといけません。他の症状は感じませんか?」

 髪の毛以外にヒゲも伸びてないという令息もいたが、それ以外は皆、身体的にも健康的にも見当たらないようだ。私も特にない。だが髪の毛だけだとしたら、なぜ?しかもどうやって?


 昼食後は一旦、各々、授業に戻る。リリベルの午後の最初の授業は薬学だった。薬草や薬で髪が伸びるのを止めるような物があるのだろうか?毛生え薬なら、むしろありそうだが。

 魔法なら事前に効果を仕込む事はできないので、きっと無理だ。


 リリベルは授業後に薬学の教師に質問をしてみる。

 「先生、質問があるのですが、よろしいでしょうか?」

 「何でしょうか?」

 「授業とは関係ないのですが、人毛などの髪の毛や他の体毛を伸びなくするような薬はあるのでしょうか?」

 「女性からは珍しい質問ですね。でもありますよ。ペットか何かで使う訳ではありませんね?人毛と仰いましたよね?」

 「それは普通は人には使わないのですか?」

 「そういう訳ではありませんが、女性で興味を持つ方は少ないものですから。つまり毛の伸びを遅くする、もしくは止めるという事は男性の主に野外での長期遠征などに向いているのですよ。髭も髪も頻繁に手入れする必要が無いですし。主に騎士団や調査団、土木関係者などは使用頻度が高いのではないでしょうか?そして女性の場合はペットの毛を伸ばさないように使用している方が多いかと」


 「成程!先生、どうもありがとうございました」

 そういう薬があるんだ!だとしたら生徒会で薬が使用されていた可能性がある?でもどうやって?


 「リリベルさん、次の授業はご一緒です」

 次の教室に向かう途中でシャーロット嬢に会う。次は法律の授業だ。


 「シャーロット嬢、そう言えばあなたはご自身の髪の毛の伸びが遅いと感じた事はありますか?」

 「私はありません。でもリリベルさんの髪がどうして伸びないのか!といつもヤキモキして見ていました」

 さすがリリベルのストーカーだ。


 「私とシャーロット嬢の違いは何でしょうか?授業以外はご一緒に過ごす事が多いではないですか」

 「フフフッ。それは、私が思うに…昼食時のお茶ですわね」

 「お茶ですか?」

 「そう!やはりマリアンヌ嬢は悪役令嬢の道をお進みになったのです!」

 シャーロット嬢が途中から浮かれたスキップを始めたので、リリベルは少し距離を取る。


 「お茶…確かにリリベルが昼食を食べるテーブルでは、毎回、マリアンヌ嬢がお茶を淹れて下さっている。

 まさかアレに!?


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