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前世も異世界転移もありません!ただの子爵令嬢です!多分?  作者: 朱井笑美


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 マリベルは朝の女神様への礼拝の時に、北の隣国の国王陛下が来訪した時の事を思い出していた。


 「これはこれは!聖女殿、私は北の国で国王をしております。母である北の女神に代わりご挨拶申し上げます」

 「北の国王陛下、ようこそ西の大神殿へ。わざわざ、お越し下さりありがとうございます。礼拝堂にご案内致します。我が女神も北の女神のご子息の来訪を喜んでいることでしょう」


 「成程、礼拝堂か。ここには西の女神はいらっしゃらないようだ。だが、ここが女神と繋がれる場所なんだな」

 「そうですが。国王陛下?」

 「聖女殿、あなたはとても女神より寵愛を受けておられるようだ。歴代の聖女の中でもずば抜けて。でもそれも当然だな。あなたは兄君にそっくりだ。それにあなたは何より美しいな。いや外見だけじゃない。とても清らかで清廉だ」


 「陛下、お褒めに預かり光栄ですが、なぜか…褒められている気がしませんね。それに兄とは?私の兄の事ではないですね」

 「あ〜それに聡い。あなたの兄君にも妹君にも王城で会ったよ。二人ともとても可愛いくてチャーミングだった。特にリリベル嬢はいいな」

 「何を仰りたいのでしょうか?北の陛下。北の防御壁に触れたのは、あなたの力ですね?何度も」

 

 「ごしゃいでらのぉ?」すっとぼけやがって!

 「目的しゃべれやぁ!」マリベルは陛下に詰め寄る。

 「おっかなぇ」 「どの口がしゃべるがぁ?」

 「聖女様!落ち着いて」 「さすねぇ大神官!」

 「!!」 「ハッ!申し訳ありません大神官様」


 「プッハハハハハッ!いやぁ〜面白いねぇ聖女様。さすがリリベル嬢の姉君だ。悪かったよ。防御壁に触れたのは試したかったんだ。攻撃もして悪かったな。でも判ったんだ」

 「何がですか?」

 「女神の防御壁は私の力でも壊せなかった。だから誰も国境侵犯はできない。もちろん鳥、動物は例外で他国の人間と人を害する魔物は通れない。だけど他にも例外があったんだよ。女神は君に言ってないだろう?恐らく聖女だけに伝わる秘技の中にも無いはずだ」


 「ふーん。楽しそうで良かったです。ではまた、サヨーナラー」

 「いや!いや待って!どうして君達姉妹はつれないの?」

 「おめ何すに来だの?」

 「北の言葉が似合うねぇ聖女殿。実はね女神の防御壁はスネイプニルに乗った王族は通すんだよ!」


 「それは私じゃなくて、お父様かリリベルに言っといてくれない?」

 「はっ?」 「だって私どうにも出来ないし」

 

 「なあ王太すぃ〜?やっぱす兄っちゃと、いもうどの方さ、めんこいなぁ」

 はあ?聞こえてるし。マジ、ムカつくぜ!何が実験じゃい!

 私は私達の女神様に敬意を払わない人は気に食わない。例え北の女神のご子息であってもだ。私は西の女神の聖女なのだから。


 結局、そんな感じで北の陛下とは別れたが、あの陛下、ちゃんとお父様とリリベルに伝えているのだろうか?ちょうど珍しく父も王都に来ているらしい。帰る前にさっさと父を捕まえておくか。



 「お父様、明日は子爵領にもう帰るの?」

 「ああ。でもその前にマリィに神殿に寄れと言われている」

 「お父様、姉ちゃんに会わないで帰るつもりだったの?」

 「マリィはいいかなって、いっイヤ別に会いたくないとか、そういう訳では…」

 「わっ!リリベル危ないだろ!殴るなって!ちゃんと前見ろ!サオリの上で暴れたらっ!行くってマリィの所ちゃんと行くから」

 「何でそんなに薄情なんですか!自分の娘が国を守っているというのに。励ましとか労いとか!」

 「マリィがそんなの要ると思うか?だー!だからサオリの上で暴れたら危ない」


 「ちゃんとマリィ姉ちゃんと話した内容を私に報告して下さい。それから子爵領に帰って下さい。学院から帰ったら聞きますから!」

 「えっ?だってお前、学院て何時に帰ってくるの?俺帰るの遅くなっちゃうじゃん」

 「私は明日は一緒に行けないんだから、ちゃんと姉ちゃんからの御用向きを聞いて来て下さい」

 「お前、自分で聞きに行けばいいじゃん」

 「わっ!止めろって!分かった分かったー」



 「で、マリィ、話は何だ?あとこれ土産だ。侯爵家から大量に持たされたわ。何なの?この菓子、凄い量だ」

 「私のオヤツです」 「は?これ全部食べるの?」

 「1日では食べません」 「そうだろうな。で?」

 

 「どうしてお母様はこれと結婚したの?顔だったとしても、これじゃなくても。もっとマシな人、お母様だったら」

 「おいマリィ!」

 「ハッまだ遅くないか。今からでも離婚して!」

 「お前、離婚を勧めるために呼んだのか?」

 「今、お父様に会って目的が変わったの。とりあえずリリに伝えて!私の防護壁は野生動物以外は何も通さないけど、一つ例外がある。それはスネイプニルに乗った人!ああ王族だったか?それは通すらしいからってね」

 「何で当主の僕じゃなくてリリに?」

 「じゃあお父様、ご機嫌よう!」

 

 「えっ?ちょっとマリィ!離婚は困るからな。母さんに勧めるなよ!」

「ごしゃいでらのぉ?」怒ってるの?

「目的しゃべれやぁ!」目的を仰って下さい。

「さすねぇ大神官!」うるさい大神官

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