表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/181

18

 「嬢ちゃん、最近、浮かない顔をしているな、何かあったのかい?」

BENTOO屋の店主がリリベルに声を掛けてくる。

 リリベルは殿下と共に生徒会に放り込まれ、夏休みまでに仕事を覚えろと放課後は生徒会室に缶詰めにされている。

 その様子を喜んでいるのはシャーロットだけだ。何なら、リリベルはまた高位貴族のお姉様方に睨まれ始めた。

 幸い、同室のリリアン様も生徒会に参加されていて、お部屋でも優しく教えて下さる。本当に良い人だ。


 今は、またこれから生徒会室に行く前に腹ごしらえのオヤツを買いに来たのだ。リリベルは店主の質問に、

 「最近ちょっと忙しくて」と答え「店主さん、お米フェアは終わったんですか?」と聞いた。

 「ああ、次にまたお米が入ったら始めるよ。代わりに“ザ・ルウドン”というのを始めたんだよ。これはウドンをスープに付けながら食べるのさ」

 

 “ザ・ルウドン”?切るとこ何か間違えてない?とも思ったが、新たなメニューに心が踊った。これは汁がある上に片手で簡単に食べれないので書類仕事には向かない。

 残念に思いながら無難に大きなカツの挟まったサンドイッチを手に取る。ザ・ルウドンは次回だ。秋に入るまであるそうなので急がなくてもいい。

 

 しかしリリベルはふと気付いて聞いてみる。

 「店主さん、このお店の読み方は“ベントゥー”で合っているのですか?」

 「ああ皆、そう読んでいるのは知っているが、本当は“べんとう”だ。南の隣国に料理人として勉強に行った時に、あちらには、お持ち帰り専用の“べんとう屋”というのが普通に沢山あってな。その名前を取ってこちらの文字にしたらそうなったんだ」

 

 なるほど、南の隣国すごく気になるな。

 「いつか行ってみたい」とリリベルはサンドイッチを手に持って生徒会室に急ぐ。

 途中で気付いた。このサンドイッチ、“マグロチキンカツ”って書いてある。

 マグロなのか?チキンなのか?それとも南にはマグロチキンという生き物がいるのか?


 また店主に聞いてみないといけないなーと思うのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ