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 「え?晩餐会にですか!」

 「そうだ北の国王陛下がリリベル嬢の同席をお望みだそうだ」

 クラッと目眩がしそうになる。

 「大丈夫だ。俺の昨年辺りの礼服を貸すよ」

 そうじゃないって!!誰が衣装の話だ!


 結局リリベルは、ザック殿下の昨年辺りの礼服を借りて晩餐会に出席した。

 会場に入ると既に北の陛下はお座りで「ここっ君ここ!」って、リリベルを見付けるなり隣の席に座らされた。

 「仕方ないから君はそっちで良いよ」

 ザック殿下がリリベルの反対隣りだ。ってか何で陛下が席順決めてるの?

 陛下の反対隣には王妃様が座り、その横が我が国の陛下だった。

 せっかくのご馳走の味が分かる気がしない。


 「君、お酒は飲めるの?」「はい。わりと何でも飲めます」

 「そうか。我が国の特産のアップルワインを持って来たよ。これは若い女性にも人気だろう?」

 「アップルワイン!それは子爵領の特産品でもあります!」

 「おぉそうか!」「ジュースのように見せかけて」

 「そうそう実はアルコール度数が高い」

 「それを意中の令嬢に…」

 「さてはお主ぃ「何て話をしているんだ!!」ザック殿下がお怒りで割り込んでらっしゃった。


 「赤毛の王子はチェリーだな」

 おい止めろ!!王子の乱れは国の乱れに繋がる!


 北の陛下の給仕は、なぜかルト兄がやっている。

 兄が酒を注いだり料理の皿を出す度に、陛下は兄にウインクしている。もしかして陛下は美し過ぎる侍従に囚われて…しまわれたのだろうか?

 「リリベル嬢、余計な事を考えるな」

 ザック殿下の鋭いご指摘に「はい」と素直に頷いておく。


 北の陛下がリリベル側ばかりに構うので王妃様がご不満そうだ。

 「陛下、あっち」と王妃様を気に掛けて!と振ってみる。

 「妹よ〜手が掛かるなぁ」と陛下は王妃様のお皿の肉を切り分けている。王妃様は途端にご機嫌になる。ナイスだ陛下!


 「そなたも…」と陛下がリリベルの皿を見たところで

 「私は殿下にぃ〜!」と咄嗟にザック殿下の方に皿を置いてしまったのは仕方なくない?

 恐れ多くもリリベルは第三王子殿下に肉を切り分けさせた。

 しかし陛下よりはマシだろう。


 そう言えば一つ疑問がある。

 北の陛下は単身でいらしたの?王妃様は…

 「妃は置いて来た」ギャッ!?心読まれた!

 「ワシの留守を任せて来た。それに一人だけ連れて来ても不公平感があるだろ?」 はあっ?

 「妃は一人だけではない。私は三人いる。まあこれは歴代では少ない方かもな。それでも次代の女神の婿の候補が十分ではない。女神は、我が母は好みがうるさいでな」


 「孫!孫でもお婿さんはいいんですか?」

 「あん?そうかぁ。知らなくても仕方ないな。女神の子供は皆、人間だ。血縁は無い。だが私と姉は血縁があるがな。同じ人間で同じ両親だからな。そして父とも血縁はあるが、母は同じ神以外は血縁にはならない」新事実頂きました。


 「お姉様は?」

 「神殿に母といる。姉がまだいるから次の婿はまだ選ばれずに済んでいるが、姉が亡くなったら、寂しくなってまた婿を所望するだろうな」

 お婿さんの選定時期は女神様のペースです。


 「陛下のご兄弟はお姉様だけでらっしゃるのですか?」

 「もう一人姉がいるが、そっちは嫁いだ。母の婿候補は多い方がいいだろうって」

 「もしかして王家の最重要任務は…」

 「まあそうだな。女神の機嫌が一番大事だからな」

 はい。また新事実です。反対隣りの王妃様の機嫌がまた悪くなりそうだが、仕方ない聞きたい事は山盛りだ。


 「スネイプニルは…」

 「ああ、あいつも戦う馬だからな。精力が強くてな。子孫は割といるが、あいつも好みがうるさい。白馬好きの面食いだ」

 そっちの好み情報はどうでもいい。だが、やはり子孫がいて、マラカス1世のスネイプニルも子孫の方だったんだ。

 「あ!そうだ白馬!うちの白馬、役さ立ったべな?」

 なんですと?

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