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 翌日、リリベルは大神殿に報告に行く為に朝から馬車に揺られていた。

 今日はナル兄ちゃんも一緒にいる。


 「久しぶりにマリィ姉ちゃんにも会いたいしな」って言うから、二人で大量のお菓子を抱えている。

 「姉ちゃん、本当にこんなにお菓子食べるの?」

 「うん。朝と昼に国規模の大量の魔法を使うからエネルギー消費がスゴいらしいの。大事なカロリーメイトだよ」

 「じゃあ、これ全部、国防の為なんだ!そう思うと尊いな」

 「でしょ」


 馬車がいつもの神殿の裏に着くと、また見覚えのある馬車が…。

 彼も実はストーカーなの?シャーロットと同じ枠でいいのか?と考えていると、こちらを目ざとく見つけた赤い人が小走りでこっちに向かって来る。


 でも、いつもと様子が違うな?とリリベルも馬車を降りて近付くと、ザック殿下が「リリベル嬢〜」と情けない声で呼んできた。

 これはもしや王太子に話しちゃったのかな?!

 「ザック殿下?」と覚悟を決めて声を掛けると

 「俺、ちゃんと約束守ったから」と眉を下げ、まるで忠犬のように言ってきたので、つい「そう偉いね!」ってザック殿下の頭を撫でてしまった。


 これ生徒会長がいたら、めっちゃ怒られるやつだ!と思ったが殿下は案外大人しく受け入れている。とその時

 「第三王子殿下は、妹の犬?いや手下にでもなったのか?」

 と兄が言ってきた。

 兄ちゃん!どっちも失礼だから!


 「何、無礼な事言っているのナル兄ちゃん!殿下に謝って!」と言うと

 「お前も失礼だからね。殿下の頭、普通は下の者が触らないからね」と言ってきた。

 確かに自分も無礼だったが、兄もなんて怖い者知らずなの!?


 でもザック殿下が「気にしなくていいリリベル嬢、それで君は?」と兄に言うと

 「第三王子殿下にご挨拶申し上げます。きちんとご挨拶するのは初めてですね。子爵家の次男ベルナルドと申します。妹が世話になっているのか?しているのか?」

 「兄さん!」

 「ああ、そう言えば納涼祭のダンスで見かけた妖精兄妹か。多分、俺がリリベル嬢の世話になっている方だな」

 「王族なのに腰低いな。ビックリだ」

 「兄さん、これ以上、殿下に無礼な事言うとマリィ姉ちゃんに言いつける!」

 「はい。ゴメンなさい」


 姉ちゃんの侍女のデイジーさんと神官様、そして聖騎士のミカエル様が迎えに来て下さったので移動を開始する。

 「リリベル嬢、おはようございます」

 「フィリップ様、おはようございます。朝からご苦労様ですね。ザック殿下から聞きましたが、フィリップ様は大丈夫でしたか?王太子殿下に責められませんでしたか?」

 「私は大丈夫でしたが、多分、これから呼ばれるんでしょうねぇ」

 「宰相補佐官様と消えていた事にしとけばいいですよ。職務怠慢は言われるかもですが」

 「ザック様にもそう言われましたよ」


 「あの宰相補佐官って、私の姉ですか?」

 わっ!ミカエル様が護衛なの忘れてた。さっき挨拶したばかりだったのに!リリベルは慌てて紹介する。

 「ミカエル様!こちら第三王子殿下の侍従をされていて、ガブリエラ様の学院の先輩にあたられるフィリップ様です」

 「フィリップ様、こちらは私の従兄弟でガブリエラ様の下の弟君でらっしゃる聖騎士のミカエル様です」

 何で今日に限って殿下の護衛がミカエル様なのだろうか?今日もてっきり女性騎士様だと。

 ミカエル様は兄にも紹介しとかないとだな。


 良かったフィリップ様とミカエル様はお互い良い雰囲気でご挨拶なさっている。さすが大人だ。

 兄も、従兄弟であるミカエル様にまで無礼を働かないと信じたい。

 「ベルナルドお兄様、こちらは私達の従兄弟で聖騎士のミカエル様です」

 「ふーん。宜しく」兄ちゃん!ミカエル様も苦笑いだ。

 何で何で?今更反抗期なの!?


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