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 生徒会長が双方の事情を聞いて、今回の騒動は令嬢達の大きな勘違いということで片付けられ、彼女達は注意のみで放免されたのだった。

 令嬢達が高位貴族で、私達が下位貴族だったというのもある。

 リリベルも事を大袈裟にしたくなかったし、令嬢達のちょっと間抜けな顔も見れたから、まあいいかと思った。

 

 しかし殿下まで巻き込むなって逆に怒られたのは、頂けないぞ!生徒会長!私被害者なのに。

「ヒロインの危機にヒーローは駆け付けないとでしょ!」って

シャーロットはブレないな。

 で、あなた的には殿下と生徒会長どっちがヒーローなの?


 「生徒会長様にはヒーローの資格はありません!ヒロインの気持ちも分からないなんて!」

 おぉ答えは出たか!って違うだろ!

 シャーロットが一方的に生徒会長を責めている。彼はその勢いに何故か押されている。

 あんなに威厳があるように見えて実はヘタレなのか?公爵令息。

 生徒会の人達!会長を助けなくていいの?


 そこに殿下まで、

 「リリベル嬢を叱らないでやってくれ、マレシオン」と追い討ちをかける。

 いや止めるのはシャーロットの方だぞ。正しくは、「生徒会長を叱らないでやって、シャーロット」だ。

 「え?でもぉ」ってシャーロットが言う。

あ、私声に出して生徒会長を庇ってましたか?


 学院の午後5時を知らせる鐘が鳴る。春はまだ学院は午後6時に閉まってしまうので、あと1時間で花を植えて帰らないといけない。

寮の夕飯も7時だ。急がないと食いっぱぐれる!

 令嬢達の邪魔が入ったので、まだ半分しか植えられていない。

 リリベルのインゲンもまだだ。慌てていると殿下と生徒会の皆様も手伝ってくれることになった。

 皆で植えると早いし、生徒会長も非の無い私を叱ったことで後ろめたさを感じているようだ。


 花壇の向こうではシャーロットが、生徒会長を苗の植え方を怒ってっているが、高位貴族が知る訳ないじゃないか。

 それに生徒会長に対する当たりが少し厳し過ぎではないですか?シャーロット。しかも、あなたいつから園芸クラブ部員になったの?


 お花は男爵令息達に任せ、リリベルがインゲンのタネを蒔いていると、殿下が、

 「それは何の花のタネだ?今、植えている苗とは違うようだが」と聞いてきた。リリベルは、

 「ちょっと待って下さい」と言って、ジョウロで水を撒いてから地面に魔法を込める。

 インゲンのタネを蒔いた小さな一角にピョンっと芽が出る。

 ふふふっ上出来だ。殿下には「マメ科の植物なんです、ピンクのお花が可愛いんですよ」と言っておいた。嘘じゃないし。

 

 殿下が怪訝そうな顔でインゲンの芽を見ている。もしかして食用なのがバレた?

 殿下はずっと怪訝そうな顔のままだったけど、何も言わなかったから放っておいた。

 何とか無事に6時までに終わって帰ることができた。生徒会長も生徒会の皆様もどうもありがとう。

 今度、ついでに植えたヒマワリでも差し入れするね。


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