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 殿下達と別れて、お昼は伯父やザック殿下達と一緒する事になっている。ザック殿下は無事だろうか?

 令嬢達をちゃんとあしらえただろうか?まあリリベルが居ない所では、ザック殿下がどうなろうとどうでも良い。

 彼が自力で頑張るしかないのだ。


 リリベルがザック殿下の部屋をノックするとフィリップ様が中から開けて下さった。

 フィリップ様、何だかツヤツヤしてる?

 フフッ上手いことやったのね。リリベルが口の端を上げると、フィリップ様が「お陰様で」とニコッとお辞儀された。


 宰相補佐官様は既にいらしていて、リリベルと目が合って一瞬、頬を染められたが直ぐに素に戻られる。彼女も一緒に帰国だから、これは帰国後、良い話が聞けるに違いない。

 彼らは忙しい人達だから滞らないように、帰国したらお節介恋愛のスペシャリストに直ぐ報告だな。

 伯母様、侯爵夫人出番ですよ!彼女達にかかったら年内にまとまるだろう。


 伯父が伯爵様を連れてやって来た。伯爵様、復活できたみたいね。良かったよ。

 皆、昨夜の飲み過ぎや、午前の茶会で食欲が無くなっている。軽く殿下の部屋でお昼をいただいて各々の話に入る。


 まずはリリベルが聞いた殿下方の神々の話だ。これは伯爵である伯父もきっと知っている話だろう。

 リリベルの話を聞いてザック殿下も伯父も驚いていたが、やはり伯爵様はご存知だった。補佐官様は東の神様の事情はご存知だったらしい。

 東の神の話は国民のほとんどが知る話で、他の神々の話も興味のある人は書物でもっと学べる範囲の話なんだそうだ。

 恐らく東ではこの話は特別ではないのだろうなという気はしていた。乳母さんや侍女さん達も普通に聞いてらしたからだ。


 だが次の子爵家のマラカス1世の日記は違ったようだ。

 国王陛下はその手紙を読んで王城の重鎮達の元にスッ飛んで行ったそうだ。確実性のある話ではないが可能性だけで良いのだそうだ。そもそも確認も確かめる事も今更できる話ではない。ならペガサスの子孫がいると話した方が神もきっと喜ぶだろうとの事だ。

 もしかしたら神様が見れば判るのかもしれないが、神様は国境を越えられない。

 野生馬はさすがに森からは出せないだろうな。もう空も飛ばないしスネイプニルのような脚力も無い。

 あるのはトゲトゲしい闘争心だけだ。何であれだけ残った?


 次に王妃様のお茶会に招かれたザック殿下の話だが、侍従のフィリップ様はもちろん、補佐官様もご一緒されたそうだ。

 そして王妃様に招かれたのは令嬢達ではなかった。


 東の有識者達で今回の西で起こった、東の王女発端のスキャンダルについて語る場だったのだそうだ。やはり知恵の国だ。

 王妃の茶会=ご婦人方の集いではなかった。


 「で、どんな結論に?」「えっリリベル嬢、結論だけ聞くの?」

 「だって既に起こった事実に関して、あーだこーだと話し合う内容は、ただの他人の主観でしょう?だから全員で辿り着いた答えだけを聞きたいの」

 「リリベル嬢、他人の主観の中にこそ新たな発見と考え方があると言うものだよ!」と伯爵が仰る。

 この人…1つの議題だけで夜明けまで話せる輩だな?

 合理主義のリリベルとは違う。


 「では殿下の発見をどうぞ」

 「え、発見って…ただ私は令嬢が居なかった事だけに安心してた。あとは好きに話してもらって、最後“そうか”って言っといた」

 うん。私だって、きっとそうなるな。

 「伯爵様、殿下には発見の場にはならなかったようですよ。で、補佐官様の発見は?」

 「えっあの、私は…「もういいです」結局、昨晩のせいで上の空だったんですね。


 「フィリップ様は殿下の後ろで聞いてらしていかがでした?」

 「結局、全員、自業自得で誰も被害者は居なかったという話になりましたかね。私も同意するところです」


 「被害者はいただろ?!オリベル王女は?親に愛されなかったカテリーナ様は?浮気した国王も王妃も、王妃をたらし込んだ北の王子も自業自得だけど」

 「ザック殿下、主観というより考えが浅慮ですよ。オリベル王女は侯爵に愛され子供も産んで若くして亡くなりましたが幸せに生きたと思いますが、被害者ですか?カテリーナ様は兄弟達には愛されてました。その後、聖女となり引退後も様々な方を助け尊敬され充実された生涯でらっしゃったように見えます。殿下、あなたのお父上の陛下はむしろ被害者では?別に公爵令嬢とは婚約寸前であっただけで婚約はしていませんでした。彼は北の地で自分で好きな人を見つけ、しかも王女で何の問題も無かったはずです。なのに責められている」


 「リリベル、もう良いだろう。我々はこの後、陛下と書庫に行ってくる。リリベルはどうするか?」

 「私は明日、殿下方と書庫に行く約束をしたので、明日行きます」

 「そうか、ではまた夕食の時に」そう言って伯父達は部屋を出て行った。


 「フィリップ、今日はもう暇をやる。そこの補佐官と消えろ」

 「そんな、殿下!」

 「分かりました。失礼致します。明日の朝、参ります」と言ってフィリップ様は戸惑う補佐官様を引っ張って出て行かれた。


 残されたのは私と殿下だけだ。

 ちょっと言い過ぎた?重い雰囲気だ。どうしよう!?

スネイプニル→スレイプニルではありませんか?とのお問合せをいただきました。

仰る通りです。私の全くの誤入力です。しかし性悪のお馬さんにしてしまいましたので、このままオリジナルの馬“スネイプニル”とさせていただきます。

お恥ずかしい。。。 

お昼に閑話投入します!

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