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 夏休みまであと少し、

 「リリベルさんは夏休みはどう過ごされるの?」

とダイアナ様が聞いてきた。

 

 ジャスミン嬢は実家は地方だが、嫁がれた姉君が王都にいらっしゃるそうで、そちらで過ごされるそうだ。

 ダイアナ様は寮生でもないし、王都の実家から学院に通ってらっしゃる。夏休みは王都で社交をこなしながら、領地でもお過ごしになるとのことだった。

 シャーロット嬢は領地の無い官僚の家の子爵家だからご実家は王都にある。

 外交官の姉の夫も同じ官僚貴族だが、姉達は海外だ。


 「多分、侯爵家にお世話になると思います」本当は帰りたいが、子爵領は遠いので移動だけで夏休みが半分以上終わってしまう。

 兄や姉も学生時代は一度も帰って来なかった。姉に至っては6年以上、帰っていないはずだ。

 姉は結婚式も隣国で挙げたので、両親もルト兄以外の兄妹も男爵様と孫の令息に会ったのは、ルト兄の結婚式が初めてだった。

 

 するとそこに伯爵令息が、

 「リリベル嬢、良かったら僕の家の別荘に招待するよ」と言ってきた。他の令息も、

 「うちの別荘は海が見えるよ」とか、クラスの令息達から、複数のお誘いを受ける。


 リリベルはもう令嬢の化けの皮も剥がれているのに、懲りないなと思っていると、

「リリベルさんの、キャッキャ、ウフフの夏休みに貴方方は登場しないのです」と例のごとくシャーロット嬢が一刀両断してくる。

 それにより令息達がスゴスゴと引き下がるのも、いつものことだった。


 リリベルはもう令嬢の皮を取り繕うのは止めにしたのだ。どうせ殿下にもバレてるし。入学してから、わずか3ヶ月ばかりの命だったぜと思う。令嬢だが作り物の令嬢にはオサラバだ。どうせ父にも祖母にも卒業まで会わないのだ。

 リリベルは開き直った。

お陰でクラスの令嬢達には、だいぶ理解され味方が増えた。

 大事なのは男じゃなくて友情だ!

リリベルは令嬢のお友達が欲しい。だが令嬢達は令息達よりもちょっと怖い。


 「リリベルさん!侯爵家で過ごされるの?お兄様もご一緒かしら?」

クラスの令嬢達がリリベルが侯爵家で過ごすと聞いて寄って来る。

 筆頭侯爵家には適齢期の独身男性は今はいない。兄は使用人だがいいのか?

 

 「半分は侯爵家で半分は姉の元で奉仕活動でもしようかと…」

リリベルはそんなに侯爵家には居ないよ〜の体で言ったのだが、逆効果だった。

 「聖女様の元でご奉仕!?ということは護衛に聖騎士様がいるのかしら?」

 しまった…また、しくじった。

一瞬の判断ミスが命取りだなんて、学院ってなんてサバイバルなの!


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