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「なあ、向こうにいる間、誰からも言い寄られなかったのか?」
真野さんの手が、Tシャツの中に侵入して、背中に直に触れてくる。
「私は、真野さんに追いつきたくて……」
「俺?」
至近距離で、ニヤニヤと聞き返してくる。
「どうせ、私は馬鹿です。真野さんのことしか考えられーーんっ」
脇腹の敏感な部分を指でなぞられて、思わず身体が反応した。
「真野さん、ダメです、こんなところで」
「ああ。ダメだな。我慢できねえ」
首筋に唇を這わせてくる。
「だから、ダメだってーー」
「確か向こうの方に、そういうホテルがあったな」
それって……。
「じょ、冗談ですよね?こんなラボ旅行中に」
「呪いのせいで興奮してるんだ。こんな状態じゃ戻れねえ」
「だから、違いますって。他の女性の声聞いたら分かります。あ、恭子さんにーー」
「そんな余裕ねえよ」
月明かりが、真野さんの顔を照らしてる。
風にそよく前髪の下からのぞく、ギラギラとした瞳。
受け止めきれなくて目を逸らす。
真野さんからこんな風に求められるのが、初めてで。
ああ、これは確かに、呪いのせいだ。
「行くぞ」
真野さんに手を引かれて、私はそれ以上抵抗できなかった。




