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愛してるって言わないで  作者: Mariko
思い出せない
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5

 真野さんたちに気づかれる前に席を立つつもりだったのに、向こうが先に食べ終えてしまったようだ。

 椅子を引く音がする。

 

 私に気づくな。

 気配を消してそう願った。

 学生に気まずい思いをさせたくなかった。


 幸い、2人ともこちらに気づいた様子はなく、私の後ろを食器トレイを持って通り抜けて行った。


 完全にいなくなったのを確信して、ホッとため息をつく。

 生きた心地がしなかった。


 急ぐ必要がなくなって、ゆっくりと残りのご飯を口に運んでいると、すぐ横で誰かがカラカラとショーケースを開けるのに気づいた。


 プリン……。


 未練が再燃して、研究室に現金を取りに戻るか悩んでいた私は、プリンが目の前に現れた時、心臓が止まるかと思った。


 その持ち主を見上げて、二度びっくりした。

 それが、真野さんだったからだ。


「聞こえてたか」

 プリンを私に差し出しながら、真野さんがボソリと言う。

 気まずそうな口調だったから、私を庇ったのが照れくさいのかと思った。


「はい。聞こえてました」

 真野さんを動揺させたくて、はっきりと肯定する。

 すると、真野さんはなぜか小さくため息をついた。

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