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愛してるって言わないで  作者: Mariko
呪わずにはいられない
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1

「そういうことだったんですね」

 事後、俺が処理をする後ろで、亜希はさめざめと泣き出した。

「私、自分が変になったのかと思った」


「悪かった」

 こんな謝罪の言葉ひとつで許されることではないけど。

「壊さない。絶対に、壊さないから」

 この子を壊してしまおうだなんて、どうかしていた。


「壊すって?」

 亜希が聞き返してくる。

「アオイも言ってましたけど、壊すってどういう意味ですか?」

 その説明がまだだった。


「俺が呪いの言葉をかければかけるほど、女は興奮状態になることが増えて、そのうちに、精神的におかしくなるんだ」

 俺の母親のように。


「呪いの言葉って、好きとか、そういう……?」

 確かめるように言う亜希に、振り向いて頷いて見せる。

 俺はその言葉を、口に出すことができない。


「それで全然好きって言ってくれなかったんですか?」

 亜希の問いに再び頷くと、彼女は再び泣き出しそうになった。

「私のこと、好きじゃないのかと思ってました」

 幻だ。

 そう思おうとしても、愛おしい気持ちが溢れて、亜希を抱きしめようとした。


 けど。

 亜希はそんな俺から少し身を引いた。

「他の人にも、好きって言ったことがあるんですね」

 拗ねた顔をしていた。

「壊れちゃうくらい愛したことがあるんですね」

 ……かわいい。

 そんな、場違いな感情を抱いた。

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