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「僕はね、真野さんに力を使わせるために、君たちを引き合わせて、真野さんが橋本さんを好きになるように仕向けたんだよ」
アオイは、まるで自慢話をするみたいに語り出した。
『お膳立て』の内容を。
「正直、引き合わせるだけじゃ足りないかもって思ってたんだけど、真野さんはあっさり橋本さんに夢中になってさ」
文字でアオイの言葉を追う亜希が、一拍遅れて、ギョッとしたように俺を見る。
俺の気持ちを、まだ信じていなかったのだろう。
「後はもう楽勝だって思ったのに、大変だったのはそっからで」
アオイは、そんな亜希の様子をよそに、やれやれというように両手を広げた。
「僕があの手この手で介入しても、頑なに好きって言わないし。むしろ、橋本さんのことを避けたりして。まったく理解不能だったよ」
「……介入って?」
亜希が恐々とそう尋ねると、アオイは、よく聞いてくれたとばかりに、嬉しそうな表情をした。
「まず、橋本さんを元カレと別れさせて、真野さんのことが好きになるように誘導した」
そう言って、ひとつ指を折っている。
「それから、僕もラボに入って、橋本さんと付き合ってる噂を流させた」
またひとつ指を折る。
「あとは、最近だと橋本さんが戸塚のもとを訪ねるのを真野さんに目撃させてみたり、酔っ払った橋本さんを家まで送らせてみたりーー」




