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愛してるって言わないで  作者: Mariko
決められない
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6

「君は気づいてないだろうけどさ」

 アオイが片頬を歪めながら言う。

「君に力を使わせるために、僕がお膳立てしてあげたんだよ」

 

「お膳立てだと?」

 俺がそう聞き返したのとほぼ同時に、横で亜希がスマホから顔を上げた。

「他にも、何かしたの?」

 怯えたような声だった。

「私をこのラボに誘導する以外にも、何かしたの?」

 彼女の問いに、アオイが不気味な笑みを浮かべる。

 

「本当は、なるべく介入したくなかったんだけどね」

 そう、言い訳がましく前置きした後で。

「真野さんがなかなか力を使わないから、ちょっとだけ行動をいじらせてもらったよ」

 そんな恐ろしいことを、さらりと打ち明けた。


「じゃあ、」

 亜希が少しトーンを落として問う。

「真野さんが私に好きって言ったのも、アオイが操ったからだったの?」


 まるで、そう信じたがっているようだった。

 呪いがかかるのを分かっていて、好きだと言うーーそんな酷いことを、俺がするはずがないと。

 底知れない自己嫌悪に、亜希の顔が見れない。


「いやいや」

 アオイが亜希の期待を打ち砕く。

「そこまで介入したら意味ないじゃん。それに、」

 俺を指さして言う。

「真野さんがその力を持ってる限り、僕は真野さんの行動を操ることができないんだ」


 それを聞いて、じわりと安堵の念が胸の中に広がった。

 俺はアオイに操られていない。


 つまり、俺の過去は、全て俺のものだ。

 亜希を愛するこの気持ちも、ぜんぶ俺のものだ。

 たとえ、彼女が幻だったとしても。

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