表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛してるって言わないで  作者: Mariko
決められない
49/89

4

「君がその力で橋本さんを捉えている限り、僕は橋本さんに手出しができないんだ」

 俺に胸ぐらを掴まれながら、アオイはニヤニヤと言う。


「でも、君が力を手放せば、僕は橋本さんと前みたいに遊べるようになる。そうだな、戸塚の女の時みたいに、あっちに連れて帰ってもいいな」


 全身総毛立って、手から力が抜けた。

 自由になったアオイが、再び亜希の方に手を伸ばして、頬に触れている。


「僕はもちろんウェルカムだけど、真野さんはそれでもいいの?それでもその力を手放したい?」

 俺は何も言い返せない。

 呪いが消えれば、自ずと亜希を解放できるものだと思っていた。

 こいつに囚われてしまうのなら、意味がない。


「大丈夫です」

 俺の代わりに答えたのは、亜希だった。

「私は、アオイなんかには靡かない。だから、大丈夫です。真野さん、呪いを消して」

「どうかな」

 アオイが、からかうような目を亜希に向ける。

「橋本さんは、男のことになると、信じられないくらい馬鹿になるからな」

 アオイの指が、亜希の首筋をなぞっていく。


「ねえ、思い出したんでしょ?君は何度も何度も僕を求めてさ。君のそういうところが、最高に人間らしくてそそられるんだよな」

「やめろ」

 聞きたくなくて、遮った。

「どうせお前が妙な力を使ったんだろ」

 言ってから、そうであってくれと願った。


「まあ、そうだね」

 アオイは、あっさりと認めた。

「でも、橋本さんが男のことになると馬鹿になるのは本当だよ。ラボだって、当時付き合ってた彼氏のところに入ろうとしてたくらいだから」


「嘘」

 亜希が首を横に振る。

「そんなはずない。聴覚の研究がしたくてこの大学に来たのに、他のラボに入ろうなんて考えるわけない」


「あはは。それは真野さんとチューしても思い出さなかったんだ。嘘じゃないよ。僕が、君に暗示をかけて、このラボに誘導したんだ」

 怯えた表情で首を横に振り続けている亜希を見て、アオイがせせら笑う。


「君はね、彼氏に言われたら、それまでの決意とか想いとか全部忘れて、ほいほい付いてっちゃうような人なんだよ。

ほんと、君って、強いんだか弱いんだか分からないよね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ