表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛してるって言わないで  作者: Mariko
決められない
46/89

1

 亜希は、アオイの話をすんなり信じた。

 アオイの言葉が文字化された画面を見つめて、「そういうことだったの」と、静かに呟いた。

 

 そして、スマホから目をあげて、アオイのことを睨みつけた。

「今すぐ、この呪いを解いて!」


 彼女の掴みかからんばかりの剣幕に、アオイは不服そうに口を尖らせる。

「君も、これを呪いと呼ぶのか」

 

「すまなかった」

 亜希のその様子を見て、耐え難い罪悪感が胸を塞ぐ。

「橋本さんには、呪いがかからないと思ってたんだ。血縁者には効かないから。俺、橋本さんが爺さんの娘だと信じ込んでて……」


「何だよ、それ」

 アオイが声をあげて笑う。

「やっと力を使ったかと思えば、そんな理由だったの?やっぱり人間は分からないなぁ」


 こいつには理解できなくていい。

 ただ、この呪いを消してさえくれれば。


「聞いただろ。橋本さんも呪いから解放されたがっている。早く解き方を教えろよ」

 急がないと、もう少ししたら亜希はまた興奮状態になってしまう。

 アオイがなかなか捕まらなかったせいで。


「えー、そんな忌まわしいものみたいに思われたまま、その力を取り返すのは癪だなぁ」

「はあ?」

「うん、取り返すのは、君がありがたみに気づいてからにしよう」

 気まぐれにそう呟いて、アオイは実験室を出て行こうとした。


「ふざけんな」

 俺は握り拳を固める。

「話が違うだろ。早く教えろよ。どうしたらこの呪いは消えるんだ」


「やけに急かすね」

 アオイがドアの前で振り向いて、意味ありげに笑う。

「もしかして、橋本さんの発情が近いのかな。いいよ、僕の前でしても」

 この下衆が。

「黙れ」

 

 とても話が通じそうにない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ