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愛してるって言わないで  作者: Mariko
抗えない
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8

「えー、要らないの?つまんないな」

 アオイが口を尖らせて言う。

 やっぱりこいつは、俺たちが苦しむのを見て、面白がっていただけだ。

「んー、取り除く方法はあるけど、本当にいいの?忘れちゃうよ?」

 アオイが念押ししてくる。


「橋本さんが俺のことを忘れる、という意味か。それなら覚悟はできている」

 いずれにせよ、俺は亜希を呪いから解放するつもりだった。

 解放されれば、亜希は俺とのことを忘れる。


「君もだよ」

 アオイは、俺を指さして言った。

「君も、その力に関わることを全部、忘れるよ。それだけじゃない。辻褄が合うように世界が作り変えられる。その世界で、君が橋本さんに再び出会える保証もないよ。それでもいいの?」

 

 俺が呪いの力を手放すということは、それだけ影響の大きいことなのか。

 そう思って、少し怯む。


「橋本さんがこの世界から消える可能性もあるのか?」

 もしもそうなら、元も子もない。

 そう思って尋ねたら、アオイは笑って手を振った。

「それはない。今あるものを元に辻褄合わせが行われるだけだ。何かが増えたり減ったりすることはないよ」


 それを聞いて、俺は肩で息をついた。

「それなら、何の問題もない」

 

 呪いの存在しない、正常な世界に作り変わるだけだ。

 俺と亜希が交わったこの世界こそが、異常なのだから。


「俺から呪いの力を取り除いてくれ。俺には橋本さんを不幸にすることしかできない」

 何回泣かせただろう。

 あの子は何も悪くないのに。

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