表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛してるって言わないで  作者: Mariko
聞こえない
4/89

3

 ……全然眠れない。


 ベッドに入って1時間。

 一向に睡魔が訪れる気配はない。それどころか、ますます思考が冴える一方だ。


 起き上がって、思いついたことを片っ端から試してみることにした。

 

 音楽アプリを立ち上げて、曲を再生してみる。

 やはり、歌手が男の場合は、歌詞を知っていても聞き取れない。女性歌手の曲は問題なく聴こえるのに。


 次に、人工的に作られた音声を流してみた。

 それは、男の声を模したものであっても、クリアに聞き取ることができた。


 続いて、動画アプリを立ち上げて、海外のものを再生してみた。

 言語が英語でも同じだった。男の言葉だけが、歪んで聞こえる。


 ネットで、自分と同じ症状の人がいないか調べてみたけど、『聴覚情報処理障害』という用語が引っかかってくるだけで、めぼしい情報は得られなかった。


 知っている男の声なら聞き取れるのではないか。

 そんな一縷の望みを抱いて、アオイに電話をかけた。ラボの1学年下の後輩だ。


 コール音が何回か鳴った後、相手が電話に出たのが分かった。


『〜〜〜』

 やっぱりダメか。

 何かを喋っているのは分かるのだけど、内容がまったく聞き取れない。


「ごめん、間違えた」


 早々に見切りをつけて電話を切る。

 

『どうかしました?』

 アオイからそんなメッセージが送られてきたけど、スルーしてベッドから立ち上がった。


 こうしてても埒が空かない。

 耳鼻科に行こう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ