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愛してるって言わないで  作者: Mariko
聞きたくない
36/89

8

 翌朝、目を覚ますと、亜希はまだ眠っていた。

 

 その頬に涙の跡がついているのに気づく。

 俺が眠っている間にまた泣いたのだろうかと思ったら、胸が締め付けられた。


 その髪を撫でると、亜希は薄く目を開けて、ふわりと微笑んだ。


 可愛い。

 好きだ。

 抱きたい。


 抱きたい。

 抱きたい。

 抱きたい。


 衝動に突き動かされて、その唇に口付けた。

 

「えっ」


 亜希が驚きの声をあげたから、気まずくなって後ずさった。

 キスをするのは初めてだった。

 亜希を傷つけそうで、何となく怖かったのだ。


「え……」


 亜希はまだ動揺している。

 すっかり目を覚ましたようだ。


 あわよくば行為に持ち込もうとしていた俺は、すとんと冷静になった。

 急いで身支度を整えて、逃げるように部屋を後にした。

 

 朝は、声を出さないようにしている。

 亜希を興奮させてしまわないように。

 俺はいつでも抱けるのだけど、朝から亜希に負担をかけたくない。


 それなのに、もう少しで理性を失うところだった。

 これでは身体目的だと疑われても仕方がない。


 しばらく声を出さずに過ごしたら、好きだと分かってもらえるだろうか。

 ラボに行く道すがら、そんなことを考えていた。

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