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愛してるって言わないで  作者: Mariko
聞こえない
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2

 昨日は、大学のラボの新人歓迎会だった。

 珍しく真野さんが参加していたから、舞い上がってしまって、思わず飲みすぎた。


 真野さんは、そんな私を家まで送ってくれた。

 家の前で、私は口を滑らせるみたいに告白した。

 思いを伝えるつもりなんてなかった。

 それは完全に、酔った勢いだった。


 真野さんは驚いたみたいだったけど、少しためらうような間を空けて、微笑んで言った。


『俺も、橋本さんのこと、ずっと好きだった』


 それを聞いた瞬間、何かが全身を駆け巡った気がした。

 真っ白になった頭の中に、真野さんの声が甘く何度も反響した。

 まるで世界に彼と2人だけになったみたいに、私は真野さんと離れたくないと思った。


 その後の記憶は、ほとんどない。

 戸惑う真野さんの上に、自ら跨ったことだけを、朧げに覚えている。



 ……死にたい。

 

 改めて羞恥心が込み上げてきた。

 絶対、真野さんに軽い女だと思われた。

 私のことを嫌いになったかもしれない。


 いくら酔っ払っていたとはいえ、普段の私だったら、そんなこと絶対にしない。

 初めてだった。

 あんなに強く、シたいと望んだのは。

 

 再びベッドの上に倒れ込んで、昨晩の自分の行いを思い返して悶絶していた私は、そこでふと思った。

 全部夢だったのではないかと。


 真野さんとセックスしたことも。

 真野さんを部屋に連れ込んだことも。

 真野さんに好きだと言われたことも。


 せめて、この耳だけは夢であってほしい。

 

 幸い、今日は土曜日でラボが休みだ。

 もう一度寝よう。

 寝たらきっと、すべて元通りになっているはずだ。

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