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春休みが明けて、2か月ぶりに亜希と顔を合わせた時、彼女に対して抱いていた恋愛感情は、すっかり消えていた。
亜希がいつも通りに話しかけてきた時には、憎しみを覚えるほどだった。
でも、爺さんに言われたとおり、そっとしておくつもりだった。
今まで飲み会への参加を拒否してきた俺が、新人歓迎会に参加したのは、この春に准教授になった恭子さんから半強制的に誘われたというのもあるけど、亜希に呪いをかけてしまう恐れがなくなったことが大きかった。
それは、彼女に対する想いが消えたからだけでなく、血縁関係のある人間には呪いがかからないことを、爺さんが実証済みだったからだ。
飲み会の帰り、酔い潰れた亜希を家まで送り届けるように、恭子さんから命令された。
アオイの姿を探したけど見つからなくて、仕方なく命令に従った。
家まで歩きながら、亜希は俺にやたらと絡んできた。
怒りを押し殺しながら対応していたけど、家の前で好きだと言われた時、俺の中で何かが弾けた。
ここで俺も好きだと答えて、身体の関係に持ち込もうとしたら、彼女はどうするだろうと思った。
俺は何も知らないことになっている。
でも、彼女からすれば、俺は甥だ。
きっと何としても、身体の関係を持つことは回避しようとするに違いない。
そう思った。
それは、ただの嫌がらせのつもりだった。
それなのに、亜希はすんなりと俺を部屋にあげて、動揺する俺の上に跨った。
亜希があっという間に果てたから、俺は不完全燃焼のまま、戸惑いと興奮の入り混じった複雑な感情を胸に、そそくさと部屋を出て、家に帰った。
まさか、呪いがかかってしまっていたとは、思わなかった。




