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「そうか」
真野さんが納得したように呟いたから、やっと分かってくれたのかと思った。
のに。
「あれもお前が仕組んだことだったのか」
続く言葉に、打ち砕かれる。
「俺に近づく理由が欲しくて、谷川を利用したんだな」
「そんなことーー」
「じゃなきゃおかしいだろ。俺みたいな奴を好きだと言うなんて。俺はずっと、お前に嫌われようと努力したのに」
努力って何?
こんなに好きなのに、どうして信じてくれないの?
聞きたいことはたくさんあるけど。
まただ。
視界に靄がかかるみたいに、自分が自分でなくなっていく。
自制できなくなる前に。
「帰って、真野さん」
「逆ギレか」
その声に、震えるほど興奮する。
「そうじゃなくて。いいから、早く」
「……ああ。そういうことか」
真野さんは察したようだった。
でも、その場から動こうとしない。
「3時間か。まあ、そんなもんだろうな」
壁にかかっている時計を見上げて、のんきにそう呟いている。
その首筋に、今すぐ吸い付きたい。
「ホントに、帰ってください。私、おかしい」
「安心しろ。お前のせいじゃない」
真野さんが自分のシャツのボタンを外していく。
ダメだと思うのに、もうどうにもならない。
「俺も変態だな。こんなに憎いのに」
そう呟きながら、ベッドの上で私に覆い被さってくる。
「屈辱だろ?俺みたいな奴に抱かれるなんて。……聞こえてないか」
聞こえてる。
返事ができないだけで。
「はは、帰れなんて、よく言えたな。よっぽど嫌だったか」
初めて聞いた。真野さんの笑い声。
笑ってる顔をちゃんと見たいのに、性欲に塗り潰される。
早く埋めてほしくて。
「俺は、少し嫌がらせするだけのつもりだったんだよ。お前が悪いんだからな」
まただ。
さっきも、『お前が悪い』と言った。
申し訳なさそうな顔で。
コンドームを自分でつけて、私の中に押し入ってくる。




