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愛してるって言わないで  作者: Mariko
分からない
19/89

7

「そうか」

 真野さんが納得したように呟いたから、やっと分かってくれたのかと思った。

 のに。

「あれもお前が仕組んだことだったのか」

 続く言葉に、打ち砕かれる。


「俺に近づく理由が欲しくて、谷川を利用したんだな」

「そんなことーー」

「じゃなきゃおかしいだろ。俺みたいな奴を好きだと言うなんて。俺はずっと、お前に嫌われようと努力したのに」


 努力って何?

 こんなに好きなのに、どうして信じてくれないの?

 聞きたいことはたくさんあるけど。

 まただ。

 視界に靄がかかるみたいに、自分が自分でなくなっていく。

 自制できなくなる前に。


「帰って、真野さん」

「逆ギレか」

 その声に、震えるほど興奮する。

「そうじゃなくて。いいから、早く」

「……ああ。そういうことか」

 真野さんは察したようだった。

 でも、その場から動こうとしない。


「3時間か。まあ、そんなもんだろうな」

 壁にかかっている時計を見上げて、のんきにそう呟いている。

 その首筋に、今すぐ吸い付きたい。

「ホントに、帰ってください。私、おかしい」

「安心しろ。お前のせいじゃない」

 真野さんが自分のシャツのボタンを外していく。

 ダメだと思うのに、もうどうにもならない。


「俺も変態だな。こんなに憎いのに」

 そう呟きながら、ベッドの上で私に覆い被さってくる。

「屈辱だろ?俺みたいな奴に抱かれるなんて。……聞こえてないか」

 聞こえてる。

 返事ができないだけで。

「はは、帰れなんて、よく言えたな。よっぽど嫌だったか」

 初めて聞いた。真野さんの笑い声。

 笑ってる顔をちゃんと見たいのに、性欲に塗り潰される。

 早く埋めてほしくて。

「俺は、少し嫌がらせするだけのつもりだったんだよ。お前が悪いんだからな」


 まただ。

 さっきも、『お前が悪い』と言った。

 申し訳なさそうな顔で。


 コンドームを自分でつけて、私の中に押し入ってくる。

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