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愛してるって言わないで  作者: Mariko
我慢できない
12/89

3

 真野さんは、私の下着を外して、胸に舌を這わせた。

 さっきはアオイに触られても何ともなかったのに、感じすぎて声が抑えられない。

「真野さん、ダメ。イッちゃう」

「イッたらいいだろ」

「やだ。挿れて。早く」


 その時、急に敏感なところを触られて、腰が跳ねた。

「濡れてるな」

「だから、早く挿れて」

 真野さんのモノを掴んで、誘導する。

「ここでいいのか」

 確かめながら、私の中に押し入ってくる。

 悲鳴みたいな喘ぎ声が漏れる。自分の声じゃないみたいだ。


「気持ちいいか」

 真野さんに問われて、何度も首を縦に振る。

「真野さんは?」

「お前がイくまで持たないかも」

 言いながら、打ちつけるスピードがどんどん早くなっていく。

「イく。イっちゃう」

「イけ」

「私の名前、呼んで」

「橋本さん?」

「違う。亜希」

「ああ、亜希」

 耳元で名前を囁かれた時、頭のてっぺんからつま先まで電流が走るのを感じた。

「亜希、気持ちいいか、亜希」

「ダメ、もう、ダメ」

 イッてるのに、真野さんは止まらない。

「ダメ、ダメ」

「亜希」

 快感の波が引いて、苦痛が残される。


「ああ、出そう」

「出して。終わって」

「急かすなよ。気持ちいいんだろ」

「わかんない。もう、苦しい」

「橋本さんがこんなに乱れるとはな」

「やだ、見ないで」

「すげえエロいよ、亜希」

「やだ」

「俺のが欲しかったんだろ、亜希」

「もう、無理」


 真野さんは、最後にひとつ大きく打ちつけると、短いうめき声ののちに、やっと動きを止めた。

 かと思うと、余韻を残すことなく、すぐに引き抜いた。

 身体を起こして、肩で息をしながらコンドームを処理している。


 その、少し不器用な指先が好きだった。

 その、少し筋肉のついた腕が好きだった。

 その、少し下がった肩が好きだった。

 その、集中すると少し尖る唇も。

 その、少し長いまつ毛も。


「大好き」

 気づけばそう呟いていた。

 それを聞いて、真野さんは思いがけないことを言われたみたいな顔をした。

 その表情は、怯えているようにも見えて。


「真野さんーー」

「うるさい」

 真野さんは、私から目を背けると、いつものようにぴしゃりと私の言葉を切り捨てた。

 その時なぜか、久しぶりに真野さんの声を聞いた気がした。

 ますます好きな気持ちがあふれて、私はそこで意識を手放した。

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