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真野さんがジャケットを脱ぐ間に、私はほとんど下着だけになっていた。
「すごいな」
真野さんは、そんな私を見て、呆れとも感心ともつかないトーンで言った。
「昨日は、暗くてよく分からなかった」
やっぱり昨日のは夢じゃなかったんだ。
そう思って羞恥心が込み上げるけど、それを欲情が凌駕する。
声を聞けば聞くほど、ますます欲しくてたまらなくなる。
真野さんがシャツのボタンを外すのももどかしくて、彼のジーンズを脱がしにかかった。
「おい、今日はシャワーを浴びさせろよ」
首を横に振る。
そんな余裕ない。
「真野さんだって、ガチガチじゃないですか」
ジーンズの中から窮屈そうなものが現れて、嬉しくなった。
「まあ、そりゃあ……おい」
トランクス越しに咥えこんだ私に、少し動揺した声が降ってくる。
「入れてほしいんだろ。そんなことしたら出るぞ」
「気持ちいいんですか?」
「分かってることを聞くな」
私を引き剥がすようにして、真野さんはジーンズを脱ぎ捨てた。
見上げると、シャツのボタンも全て外れていて、ほどよく筋肉のついた胸が露わになっている。
「真野さん、早く」
「待てよ」
シャワーを浴びるのは諦めたようで、真野さんは財布からコンドームを取り出した。
こちらに背を向けて、付けようとしている。
「私、やりましょうか?」
手こずっている様子を見て、そう声をかけた。
真野さんは、意外とすんなり私にコンドームを手渡してきた。
「頼む。慣れてなくてな」
「え?付けるのが?」
「いや。するの自体、お前が初めてだ」
びっくりして、ほんの少しだけ冷静になった。
「え、だったら何で、持ち歩いてるんですか?」
「爺さんに持たされてな」
「お爺さまに?」
「別にいいだろ、何だって」
あまり訊かれたくなさそうだったから、それ以上はツッコまなかった。
「良かったんですか?私で」
真野さんのモノに被せながら、代わりにそう尋ねる。
「今さらだろ。ダメだって言ったら帰してくれるのか」
「それは無理ですけど」
早く欲しくてたまらない。
コンドームだって、本当は付けたくないけど、ギリギリの理性が真野さんに迷惑をかけることを拒んでいる。
「慣れてるな」
私の手元を見て、真野さんが呟く。
「でも、大学生の時以来です」
ラボに入ってからはずっと、真野さんに片想いをしていた。
「嘘つけ。アオイと付き合ってるんだろ」
「だから、違います。さっきのはーー」
「どうでもいいけど、そんな触ったら出るって言ってるだろ」
無意識のうちに真野さんのモノをしごいていた。




