表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛してるって言わないで  作者: Mariko
我慢できない
10/89

1

 真野さんは、私の家の前でやっと立ち止まった。

「あ、あの、真野さん……」

 繋がれたままの手に、今ごろ緊張している。


「アオイとは、その……」

 昨日の告白を取り消そうと思うのに、口が勝手にアオイとのことを弁解しようとする。

「というか、ごめんなさい、私いま、耳がーー」

 まずはそこから話さなければいけないことに気づいて、耳のことを説明しようとした。


 その時ーー。


「橋本さん」


 真野さんが私の名前を呼ぶのが、はっきりと聞こえた。

 その途端、雷に打たれたみたいに、身体が熱くなった。

 なぜ真野さんの言葉が聞き取れるのか疑問に思う余裕もないくらい、真野さんに触れることしか考えられなくなった。


「ああ、なるほどな」

 真野さんのそんな呟きさえも、私の身体を痺れさせる。

「他の人にもそういうことをしてたんだな、お前は」

 非難するように言われて、慌てて首を横に振った。

 アオイに身体を弄られているのを見られて、勘違いされたのだと思った。


「違います」

 嫌われたくない一心で、必死に否定する。

「さっきのはアオイの悪ふざけで。私、真野さんにしか、こんな、欲情しない」


「そういうことじゃなくて」

 真野さんはうんざりしたようだった。

「お前は、爺さんにーー」

「真野さん」

 我慢できなくて、遮った。

「来て。私の部屋、すぐそこだから」

「俺はーー」

 少しの間、真野さんと見つめあった。


 自分がおかしい自覚はあった。

 でも、どうしても止められなかった。

 身体中が真野さんを欲しがっていた。


「……まあ、いいか」

 やがて真野さんは、意を決したように私の手を引いた。

「お前が悪いんだからな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ