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オフ会

 脳裏に浮かぶタキさんのアバター。ライムこと私、藤沢みゆきは絶賛失恋中だった。

「・・・うう、振られた・・・」

「またかよ、まあそんなこったろうと思ったけど」

彼は大学の時からの数少ない友達だ。私と同じように、なかなか本命の人と上手くいかず、その話題で盛り上がり意気投合した。

「何で本当に好きな人は手に入らないんだろう」

「まーそれはお互い様だな」

今日は私が強引に呼び出し、話を聞いてもらった所だった。場所がホテルなのは、まぁ…成り行きだ。

「ごめん、俺そろそろ行くわ」

「私ももう出るし」

「あっそ、せっかくダブルだし泊まってってもいいのに」

「明日から出張なの」

「まじか、タフだなーそんな日の前日に俺と」

「体力バカなのはそっちでしょ!急だし、セミナーなのに2泊もしなきゃなんだよ?」

「誉め言葉と受け取ろう。セミナーならオンライクとかじゃないん?」

「グループワーク的なのもあるみたいで・・・」

「なるほどね~」

「別の案件も今抱えてるのにさ~」

「あらあら、お父様は厳しいねえ」

「まー特別扱いはされないからありがたいよね、それで他の社員とも上手く出来てるし」

私は父が営む不動産系の会社で、建築デザイナーをやっている。社長の娘というだけで色眼鏡で見られるが、父は他の社員と同じ様に、それ以上に厳しく私を扱っている。

「いい父親だな」

「まあね、そっちは仕事どうなのよ?」

「まーぼちぼちよ」

「相変わらず意中の人は不倫してるわけ?」

「煩い、その話はするな」

「今度はただ飲もうよー話聞かせてよ」

「お互いの不幸話ししたって何もならないから、それなら気持ちいい事しようぜ」

「サイテーw」

「みゆきこそ人の不幸を食い物にしようとしただろw」

「そ、そんな事ないし!」

図星だった。お互い状況は相変わらずの様だ。上手くいかない間は、今日みたいに慰め合ってきた。こういう関係になったのは成り行きだったが、本当に一回も彼には恋愛感情を抱いた事はない。驚くほど私にしては、気持ちの良い関係だった。きっと私に彼氏が出来たら、「そうかおめでとう」と言って、もう二度と会わないのだろう。逆もまた然りだ。ただ身体を重ねた過去は消せない。好きな人と結ばれた時に罪悪感が残るだろうか。そうやって黒歴史に出来ればどんなに良いだろう。苦しくても、やっぱり好きな人と心を通わせたい。身体だけではなく。

「もう!」

私は勢いよく布団を跳ね除け、散らばっていた服を搔き集めて袖を通した。


足早に帰宅して、PCの電源を入れる。すっぴんで帰るのが嫌だったのでホテルではシャワーを浴びなかった。先に熱いシャワーをして、さっぱりした所でミストワールドにログインした。

「こんばんわー」

ギルドチャットで挨拶をすると、みんな返してくれる。今日は彼と会っていた為、いつもよりログインするのが遅くなってしまった。日課からしようかどうしようかとフレンド欄を物色していると、さとーさんからチャットが飛んできた。

「はろー」

「はろはろー」

「冥界、1周だけ行かない?いつもの4人で」

告白してから1週間程経っていたがまだタキさんと鉢合わせるのは気まずい。ログインは確認していたが、パーティーを組むのは久々だった。それでも会いたい気持ちの方が強いので即答。

「行く行くー」

即決で返信を送るとパーティーが飛んできた。参加すると既に3人集まっていた。

「通話しよ~!」

さとーさんの提案でディムコードを繋ぐ事になった。

「こんばんわー」

「お疲れ様」

「はろ~ん」

「通話久々だね」

やっぱり4人で通話するの楽しいな。わくわくが止まらないってやつ。そして久しぶりのタキさんの声。

「時間かかるけど4人でいいよね?」

「俺はいいよ」

さとーさんの質問にFUMIさんが答えた。

「まー報酬多い方が美味しいしな」

タキさんも異論はないようだ。ああ、今日もいい声だなあ、タキさん。何気にコスチュームが新しくなってる。ついいつもの癖でタキさんの装備チェックをしてしまう。冬っぽいもこもこのコートがこれまた似合っていた。ファッションセンスも男性にしては配色の仕方が上手だ。私もこのコスチュームに合うような冬っぽい新コス作ろうかな・・・さすがにそんな事したらタキさんに引かれてしまうかも。

「おっけ~でも私今日は1周で落ちる」

私は明日からの出張に備えてそう答えた。

「あら、深夜勢のライムちゃんが珍しい」

「明日から出張でさ~」

「あらーそれは大変だ」

「どこ行くの?」

FUMIさんからの質問に私は答える。

「名古屋」

「お、地元じゃん」

タキんがぽろっと零した言葉に、心が踊った。前々から関西の方だとは聞いていたが、もしかして。

「まじ?」

「うん、俺今名古屋住み」

まさかのタキさん名古屋住み!その情報に私のテンションは一気に上がる。後で、フレンドチャットでご飯くらい一緒に行けないか聞いてみようか・・・でも断られるのが怖すぎて、結局聞けないかもしれない。オススメのお店を聞くくらいなら勇気が出るだろうか。

「そうだったんだ~!」

「その割にはみゃあみゃあ言わないね?」

「さとー、名古屋人バカにしてね?w」

「え?何でも味噌かけるんでしょ?」

「味噌まじで上手いからな!」

「名古屋行った事あるけど、飯美味いよな」

FUMIさんが、冗談でじゃれあう2人に割って入るのが面白過ぎる。

「ライムちゃん時間あったらご飯食べに行かない?」

まさかの4人でいる時に誘いが来るなんて。

「え、行く行く!」

私はあまりに突然の事だったので、狼狽えそうになりながら必死に答えた。

「わーいいなー!」

無邪気に羨ましがるさとーさんのお陰で、私が硬直しかけた事を気取られずに済んだ。

「空きそうな時間分かったらまた連絡するね!」

「了解~!」

「さて、行きますか」

「おっし行こう~!」

冥界ツアーが開始したが、私はタキさんとのオフ会が気になりすぎて、注意力散漫だった。


捕縛のタイミングは大分安定してきたと思う。さすがさとーさん。ミスの多い私に代わって、FUMIさんのナイスアシストっぷりが光るのが癪だ。

「ちょっと、ライムしっかりしてw」

「ごめんてば!」

「いよっし、捕縛入った!」

「マジュリオン入ったー!」

「フィーバータイム!」

「俺も殴りたい!」

普段は回復で手いっぱいのタキさんが主張した。

「一発くらいいけるんじゃ?」

さとーさんが軽いノリでそう言うが、

「や、ボス起き上がった」

「あぶなww」

わいわい遊べて、本当に楽しい。ギルドの人と行くとここまで盛り上がらない。みんな上級者だから、淡々と作業をこなす感じだし、ミスすると結構怒られる。教えてくれるのはありがたいのだが、前衛職は上手い人に取られて召喚で補助する事が多い。召喚と魔法も好きだけど、やっぱり前衛で攻撃カットする方が難易度が高くて挑戦しがいがある。

「冥界ボスも安定してきたな」

「さとちゃん捕縛上達し過ぎじゃない?」

「それなw」

「そんな事ないwみんながちゃんと役割以上の事してくれるから」

「ライムのカバーとかな?」

「ちょっとフミ、しつこいわよ!」

「あはは」

「さーて、勝ったところで気持ちよく寝ようかな~」 

私は時計を確認してそう言った。

「あ、もう1時過ぎじゃん、大丈夫?」

「うんうん、出張先にもノートPC持って行くから、また遊んでー」

「さすがw」

「スペック低いから、あんまバトルは出来ないかもだけど日課くらいならw」

「ぜひぜひー!また誘うね!」

「気を付けていってらっしゃい」

「ありがと~」

「じゃあ、一旦パーティーも通話もここでお開きにするね」

「はーい、お疲れ様~」

「またねー」

通話が切れた。急に静ずかになった耳元。私はふうっと息を吐いて、ヘッドホンを外した。まだゲーム画面は落とさずに、荷物整理に都に戻っているとタキさんからフレンドチャットが来た。

「俺のライクのID。良かったら連絡して」

taki1111。そこにはライクのIDが書かれていた。ライクは通話とチャットに特化した、一般的なメッセージアプリだ。ディムコードでも連絡はとりあえるが、ライクの方がよりプライベートな感じがする。こんなオンライクゲームのチャット欄に個人情報書いて大丈夫?!と一瞬思ったが、そんな事よりも、ご飯のお誘いはその場のノリだけじゃなかったと嬉しくなって、直ぐにスマホを取り出して検索すると、黒猫のアイコンが出てきた。名前はカタカナで「タキ」だった。きっと家族やリア友とも連絡を取り合うはずなので、タキっていうのは本名なのかな?疑問に思いつつも、フレンドチャットに返信する。

「黒ねこちゃん」

「それ、俺のアイコンw」

「友達申請したよ~」

通知音がして、ライクにタキさんからのメッセージが届いていた。

「よろしくね!」

私はPCから目を離すと、ライクに返信した。

「よろしくね、タキさん」

「ごめん、本名は岸本多喜ですw」

私のライクの名前が本名だったからか、気を遣ってタキさんが本名を教えてくれた。タキって、下の名前だったんだ!てっきりタキモトとか、タキザワなのかと勝手に思っていた。

「教えてくれてありがとw改めてよろしくね、多喜さん」

「こちらこそよろしくね、みゆきちゃん」

「ライムはこの子の名前なの」

丁度呼ばれたと勘違いしたのか、ライムが足元にすり寄ってきて、そのまま膝に飛び乗った。エメラルドグリーンの瞳がこちらを見上げる。その様子を写真に撮って送った。

「白猫のライムちゃんか~アイコンの子だよね?めっちゃかわいい!ライムちゃんに似て美人!」

お世辞と分かっていても嬉しくて照れる。私はライムのふわふわの毛を撫でつけながら、白猫スタンプを送った。

「ありがとうwタキさんのアイコンも猫ちゃんだね?」

「そうそう、うちで飼ってるハナです」

「可愛い~黒ネコちゃんも良いなあ~毛並みツヤツヤ」

「不愛想だけどねw」

「うちのは割と誰にでも構ってもらいにくるよ~犬みたいw」

「めっちゃ良いな~wいっつも塩対応されてるw」

「まさに猫だねw」

「あ、ごめん話し込んで。準備とかもあるだろうし、早く寝てな。また連絡待ってる」

思いがけずライクで話す仲にまで進展して、何ならもうこのままずっとライクで話していたいくらいだが、悲しいかな社会人には寝坊出来ない朝がくる。タキさんの気遣いがありがたい。

「絶対連絡するね!おやすみ~」

おやすみのスタンプが返ってくる。その変なイラストに、私は思わず笑みが零れた。クッションを当てた背もたれに沈み込みながら、緑色の瞳に目を向ける。喉を優しく撫でると、ごろごろと鳴きながら目を細めた。

「期待してもいいのかな」

呟いてみたが、ライムは答えもせず、指にじゃれついて甘噛みするだけだった。

「もう」

私はライムを抱き上げて下に降ろした。名残惜しそうにライムは鳴くが、私は気にせずクローゼットの中からスーツケースを取り出して、出張の準備を始めた。


平日なので長電話出来なかったのは残念だったが、今日の冥界は自分でも満足のいく動きが出来たので、私は上機嫌だった。素材も集まってきたし、今度は僧侶のロッドが作れそうだ。次こそはちゃんと自分からFUMIさんに作成をお願いしようと思いながら、うきうきで倉庫整理をしていると、ポップ音。タキさんからフレンドチャットが来た。

「ちょっとだけ話せる?」

「どしたー?」

「さとーの定位置にいる」

そう言われたので、私は倉庫の前から飛行機に乗っていつもの城壁の上に飛んだ。タキは城壁の上に座っていたので、私も隣に腰を下ろす。

「何よあらたまって」

「俺さ、ライムちゃんに告白しようと思う」

「きゃー!!まじ!?」

凄い。私の目の前で1組のペアが誕生するのだ。ライムさんから話を聞いていた事もあって、感慨深いものもあるし、やはりタキさんはもうライムさんに気持ちが傾ているという自分の予想が当たった事も嬉しい。それくらい、私はタキさんの事をよく理解出来ているのだ。

「随分嬉しそうだなw」

「いや、さっきオフ会申し込んでたしさ、まさかとは思ったけど」

「さとーの事、やっと吹っ切れたwてか吹っ切ろうと思う」

「そっか」

それが良い。私も、元彼に失恋した傷はFUMIさんとの恋で癒された。でも、すぐにFUMIさんとの恋愛に切り替えた私は、ずっと後ろめたさの様なものがあって、自分からFUMIさんに告白したりも出来ず、全然前進していない。だからタキさんがなかなか前に進めない気持ちが分かる気がした。でも、うだうだしている私よりも、タキさんはずっと正直で真面目で、一人で全てを抱えていた事を尊敬する。

「結構キツかったのよ?w」

「ごめんw」

改まって本人から言われると、私は本当に酷い事をしてきたんじゃないかと思う。でも、タキさんはそれに負けずに自分で傷を癒したのだ。もちろん、それにはライムさんの存在も大きく関わっていると思うが。

「フラれてもほぼ毎日のように一緒に遊んでさ」

「うん、ごめんね」

「ギルドではペアいじりもされるしw」

「それは私のせいじゃないけどwでもわがままでごめんね」

「でもさとーと居るの楽しいしさ」

「うん、私もタキと遊ぶの楽しい」

「だよなーノリ?みたいなのが合うんだよな」

「わかるーチャットでPT中にバカ騒ぎするのも楽しいしw」

「それなw楽しくてつい長話してしまうし、そうゆう明るい所が好きだったんだと思う」

「そっか・・・ありがと。私達いつも一緒だったもんね」

「そうだな~ギルドも一緒だし、よくペアかと間違われるくらいには一緒にいたよな」

「ちゃんと否定してるのにねw」

「それなwまあ最近はふーみんの目を気にしてあんま二人きりでは遊ばないようにしてたけどw」

「えwそんな事気にしてたの?w」

「そりゃあねwだって圧が凄いしw」

それは全然私は気づいていなかった。だからみんなに鈍いと言われるのだろうか。でも最近少しだけ、FUMIさんの愛情を感じ取れる様にもなってきた。この間の武器の名前刻印と言い、FUMIさんは結構独占欲が強いのかもしれない。

「うそww全然そんな事ないと思うけど」

「さとー鈍いからなー」

「いやいやwチャットだと全然分からないし」

「言葉にしないと分からないよなw」

「ほんとそれw最近でこそVCがあたりまえな感じもしてきたけどさー」

「たしかに大分慣れたよな」

「でも、チャットにも空気感?みたいなのがあるのも分かるw」

「あー分かるわかるw」

「きっとギルドの子とかは、私達のチャットの感じでペアいじりしてたんだよね」

「だなー空気感てやつ、感じたのかもなw」

「でもこれからは、ライムちゃんとそうなるんだね」

そうだ、今まで私が居た位置に、今度はライムさんが立つのだ。いや私以上に親密な立ち位置に。私はもうタキさんと、ペアに間違われたりしないようにしなければならない。気を使った振る舞いをしなければと思うと、ふと、寂しさを感じた。

「そうだな、少なくとも誤解はされないようにしたいな」

「だよね、私も気をつける」

「まだ告白成功するかどうか分からないけどなw」

私はライムさんの気持ちを知っている。ライムさんが結構束縛しちゃう話しも聞いた事があった。

「それは分かんないけどさ~でも二人はとてもお似合いだと思うよ?」

「まじでーやだ照れちゃうw」

「ウケるwあ、インしてる間は基本ライムちゃんと一緒にいたいよね?」

「もちろんみんなでも遊ぶけどなw最優先はライムちゃんにしたい」

「分かった」

「てか君たちはどうなのよ?ペアになったんじゃないん?」

急に矛先が自分に向いてどきっとする。

「いあ、どちらからとも告白らしき事はしてないね・・・ただ良く一緒にいるってだけで」

「そっか」

「うん、このままでもいいような、でもちゃんとペアになりたいような」

「まーそのへんは本人達にしか分からないものもあるしな。それこそ空気感w」

「そうだねwまあ焦らずふーみんの気持ちを確かめていこうかな」

「何かあったら話は聞くよw」

「ありがとね」

「いあいあ、こちらこそ今までありがとな」

そんな今生の別れみたいな事言われると、急に寂しさが高まる。そっか、私、タキさんの事独占してたんだ。独占というのはしっくりこないが、人気者のタキさんを独り占めして、一緒に遊ぶ相手も、チャットで色々話す時も、何でもタキさんに任せてばかりで。それは感情の受け皿のようだった。自分はFUMIさんの事が好きな癖に、タキさんの好意に甘えて構ってもらっていたのだ。タキさんを縛り続けてすごく嫌な女だった事に改めて気づいた。こんな私に色々相談してくれたライムちゃんに罪悪感しかない。本当に鈍いって、こういう事だ。

「ライムちゃんとお幸せにね」

「頑張るわwいや、だからまだフラれる可能性もあるって・・・」

「大丈夫だよ。二人ならきっと上手く」

ライムさんの気持ちを知っているから大きな口を叩けるが、両想いだと分かるのは私の口からではない方が良いだろう。

「さとーにそう言われると、そんな気がしてくるよ」

「でしょ?自信持って」

「ありがとな」

「こちらこそ~じゃ、そろそろ寝るね」

「うん、またなー」

「またね、お疲れ様~」

「おやすみ」

「おやすみ」

ゲームからログアウトすると、急に部屋が寒々としてきた。布団に入って暗い天井を見つめる。これまでタキさんと遊んできた、楽しい日々が思い起こされた。道端に一人で倒れていたタキさんを始めて蘇生した日。この日をきっかけにフレンドになり、一気に仲良くなった。一緒に70代ダンジョンに潜り続けた日。同じ武器の素材が欲しくて何回も通った。今のギルドを選んだ日。ギルドに入ってなかった私を、今のギルドに誘ってくれたのはタキさんだった。タキさんがいたから、ギルドに馴染むのも早かったし、Soraさん達と出会えた。一緒にレベル上げをした日。仕事の愚痴を言い合った日。白亜地区のボスに挑んで返り討ちにあった日。ギルメンのお手伝いに行った日。タキさんがいたから、ライムさんとFUMIさんにも出会えた。でも二人と出会う前にも、タキさんとのたくさん楽しい時間があって、少し思い返しただけでも、次から次へと思い出が湧いてくる。これは私とタキさんの思い出だ。ライムさんもFUMIさんも登場しない領域。何となく分けて大事にしまっておこうと思い、私は目を閉じた。

「私、甘えてたんだな・・・」

今度こそ、私はタキさんから卒業しないといけない。



経験値の還元を避けたくて、HPが0になってもフィールド上に残る人はしばしばいる。通りがかりの僧侶から蘇生してもらう為だ。

人気の居ない場所ではなかなか蘇生してもらえない事も。そんな時はフレンドに来て貰うか、諦めてリスポーンするしかない。

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