第40話 ベストカップル
「薫君!おはよう!」
「おはよう、あかり。」
薫を起こすあかりは薫を見つめて眼を閉じた。
「!?」
薫は赤面して額に口付けた。
「ほら、着替えるから出ていけ。」
「……うん!」
2人とも赤面してドキドキしていた。着替えると居間へと向かう。
「昨日は何があったんだ?」
「それが、翡翠様が暴走して大変だったんだよ。」
「はい、翡翠様とあかりさんのご先祖様が対峙しまして……。」
「”童の事か?”」
「そうです。その……?!」
「あかり?じゃない、のか?」
「”童はしばらくこの娘に取り付く事にしたぞ!”」
「「?!」」
「”それにしても若いの。朝からイチャイチャしよって…見てるこっちが恥ずかしいぞ?口吸いごときで赤面しおって!”」
「!?、え、あ、いえ、その……すみません。」
「”この男子は全く力を持っておらぬのだな”」
「っ!」
「……兄さんは他のことならなんでもできる頼れる自慢の兄です!」
「”だが、陰陽師の家系に、力を持たぬものが家督を継ぐのは如何なものかと思うぞ?”」
「……」
薫は深刻そうな顔をして下を向いた。
「兄さんは力なんてなくても…っ!」
「葵、いい。この方の言う通りだ。俺なんて……」
「”あかりの男としても不釣り合いではないかのぉ?”」
「「?!」」
それを聞いて薫は食事を置いて「失礼します。」と言って部屋へと戻っていった。
「っ!灯火様!あんな言い方しなくてもっ!」
「”童は本当のことを言ったまでじゃ”」
「それでもっ!」
「あー、もうっ!体返して!!」
何?!童が押されているじゃと?!娘にこれほどの力があろうとは?!
灯火が引っ込み、あかりが戻ってきた。
「薫君!」
あかりは薫を追いかける。部屋に戻ろうとしている薫の背中から抱きついた。
「?!あかり?」
「薫君!私は薫君が好きだよ?!」
「……だが、俺など、力も持たない、不釣り合いな……」
あかりはそれを聞いて薫の唇を奪った。
「?!」
唇を離す。
「……私には、薫君しか、見えないよ!」
「……あかり!」
2人は愛を確かめるように抱き合った。
「薫君、すき……」
今度は薫から口付ける。唇を離すと薫はあかりを抱きしめた。
「あかり、ありがとう!俺……」
「薫君は不釣り合いなんかじゃないよ!むしろ私の方が不釣り合いかなって……」
「何故だ?」
「だって、薫君はなんでもできるのに、私はなんでもできる訳じゃないし、陰陽師の力の使い方もわからない。薫君の方が凄いと思う!」
「……そんな事ない。あかりが不釣り合いな訳ないだろ?俺の唯一の恋人なんだから。」
「薫君……」
葵はそれを遠くから見て優しく笑うのだった。
夏休みは無事に終わった。こうしてループすることが無くなったあかりは愛する薫と共に生きてゆく事になった。あかりは未来に置いて神隠しにあい、家族の元から居なくなり、過去に居座る運命となった。




