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灯火のあかり タイムスリップして母の初恋相手と恋しました?!  作者: ユキア


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第39話目覚める灯火

夜が更ける。翡翠はついに動いた。


「さあ、今!我の元に本来の力が戻る!」


真夜中、あかりと葵は強力な力を感じて目覚めた。急いで庭へと出る。


「あかり、葵、よく来たな!」


「翡翠様…?」


「なんて、禍々しい力なんだ!」


「あかり、お前には感謝せねばな!我は原初の力を取り戻した!ループによって得た力によってな!!」


「っ!ループさせたのはそう言う意味があったのね!?」


「確か、翡翠様は灯火家の初代によって、本来の荒々しい力を封印されたと聞きました!」


「ふはははっ!長年の野望が叶う!封印が、解ける!!」


翡翠は段々と神々しい光に満ちてゆく。刹那、翡翠は完全体となった。


「はっはっはっはっ!我が名は翡翠神!忌々しい灯火家の封印を解き、今原初の姿に戻った!!」


「翡翠様!封印を解いて何をしようと言うのですか!?」



「何を?だと?そんなことは決まっている!この村に封じられ、自由を無くし、この村から出られない今を壊す!」


「?!」


「つまりだ葵!これから起こるは天変地異!」


ぶわーっと、いきなり風が吹く。まるで台風のように雨風が強くなる。


「滅びよ!灯火村よ!!」


「そんな事はさせません!!」


葵は印を組み変身した。そして翡翠を封じようと印を組むが弾き返される。弾き返された力が葵を襲う。


「ぐあっ?!」


「葵君!?」


「あかり、目をかけてやったものを……お前は最後まで力に目覚めなかったな。ここで今、死ぬがいい!!」


翡翠の攻撃があかりを襲おうとした。

「あかりさん!!避けて!」

その時、


「”まだまだじゃのぉ、若いの”」

あかりの口調が変わる。翡翠の攻撃を撃ち落とした。


「っ!?この反応は……?!」


「”目覚める時じゃ、我が子孫たる娘よ!”」


あかりは自分自身何を言っているのか分からない顔をする。


え?え?乗っ取られてる?!


「お前はっ!まさか!」


「”翡翠、久しいのぉ!童を覚えているか?”」



「灯火!」


「”そう、灯火一族が初代、灯火とは童の事!”」


「あかりさんのご先祖様?!」

「”む、この気配、紫の子孫か。”」


「あ、はい。紫の子孫紫源葵と申します!」


「”そうか。で、翡翠、ふざけた事を言っていたな”」


「なんの事だ?」


「”この村から逃れ、再び荒神に戻ろうと言うのか?”」



「はっ!当たり前だ!この時をずっと待っていた!」


翡翠が攻撃してくる。灯火はそれを身動きひとつせずに消した。


「っ?!」


「”この娘、お前の見込み通り、確かに何者にも代えがたい素質を持っている。後は心の持ちようじゃの!”」


「もうお前にやられる事はない!」


翡翠の攻撃が続くが灯火は一撃もくらわない。


「”愚かものめ”」


今度は灯火が印すら結ばずに火の玉を繰り出して攻撃する。


「ぐああああっ?!」


「す、すごい!」


「”封印する!!”」


「やめろぉおおおおっ!!」


翡翠を封じようと灯火が印を組むと翡翠の力はあっという間に極小となった。


「”いや、これは封印するより滅したほうがよいか?童の術を破り、天変地異を起こそうとした罪、重いものぞ!”」

灯火が翡翠を滅しようとした時だった。

「待ってください!」


「”なんだ、紫の子孫”」


「翡翠様は嘘をついています!!」


「”嘘?”」


「翡翠様は天変地異なんて起こそうと思っていません!この村を滅ぼしそうとも思っていないと思います!」


「”何故そう言える?相手は神ぞ?神の心など読めぬものよ”」


「そんな事はありません!翡翠様は20年に渡る陰陽師の不在によって力を失いかけていました。ここにいる翡翠様はきっと未来の翡翠様からの助けを求める声に答えたんだと思います!」


「”それがなんじゃ?”」


「翡翠様は村が衰退して行く事を悔やまれ、嘆かれたんだと思います!」


「”何?神が、悔やみ、嘆く?バカバカしい。そんな善神ではない。翡翠は今でこそ御神体だが、その昔は暴れるだけ暴れる神であった。その本質は変わるまい。”」


「そんな事ありません!翡翠様は!ボク達を救ってくださいました!」



「”それはループする為に…”」


「ボク達である必要は無いはずです!」


「”……なるほど、翡翠にも人の心が分かるようになったと、言いたいのだな。”」


「はい!」


「”翡翠よ、今の話は本当か?”」


「……ああ。こいつらが居なくなって村は衰退し、我も力の大半をうしなった。そんな未来を変えたかったのだ。衰退して行く村を救ってやりたかった。」


「”村の為、か……良かろう滅するのは止めてやる!だが、今度変な真似をすれば…滅す!”」


「灯火さん!ありがとうございます!」


「”では、体を返すかのぉ”」


灯火はあかりに体を返した。


「……あれ?私、戻ってる?」


「あかりさん!良かったです!」


「あかり、葵、利用して……その、すまなかった。」


「別に怒ってないけど?」

「ボクも特に怒ってないです。」


「そうか。」


しばらくすると寝ぼけた薫がやってきた。


「お前達こんな時間に何してるんだ?」



「それが、……」


「いろいろありまして……」


あかりと葵は顔を見合わせてため息をついた。


「?」


薫は何事かと不思議そうにしていた。

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