第36話 冷めない熱
「薫君!私、薫君が好き!!付き合ってほしいの!」
緑が薫に告白したのだ。薫は断ろうとした。だが、薫は後ろからきたあかりの顔を見て考えを変えた。
「わかった。浮舟、付き合おう。」
「「?!」」
あかりも灯籠も驚いた。緑は喜んで、じゃあまた明日と、帰っていった。
「か、薫君。今のって……」
「なんだよ。俺が誰と付き合おうとお前に関係ないだろ?さっさと未来に帰ったらどうだ?」
「……そうだね。おめでとう!薫君!」
「薫、お前は脱落って事だな!」
「そうだな。それでいい。」
そう言うと薫は家へとはいる。
「灯籠君、またね!」
「ああ、また明日!」
灯籠と別れて家へあかりも入った。その後、薫と仲直りできないまま夏休みになった。
夏休み初日、あかりは薫の部屋へ突撃した。
「薫君!!」
「……なんだ?」
「しゅ、宿題教えて、ほしいの!」
「自分でしろ!」
「お、お願い!」
「……はあ、わかった。」
薫は渋々教える事にした。
「だからここは……」
「うん!」
教え終わるとすぐに出ていくようにあかりは薫から言われた。
「あの!ごめんね!薫君!」
「何がだ?」
「その、怒らせて……」
もじもじしながらあかりは謝罪する。
「……早く未来に帰れ。俺と葵が殺される事はもう無いはずだ。」
「……薫君は私に帰ってほしいんだね?」
「当たり前だろ?お前の顔なんて見たくもない。」
薫は相変わらずあかりに厳しい。
「……薫君。」
あかりは薫の着物の裾を握る。
「なんだよ?」
「薫君、私、帰らないよ!」
「は?帰りたいって言ってただろ?」
「……帰りたくないの!だって…」
「葵か?灯火か?どっちを選ぶんだ?」
「それは……」
あかりが言葉に詰まると薫はため息をついた。
「そうか、まあ、お前が未来へ帰ろうと帰るまいと俺には関係ない。」
あかりは薫の腕に縋り付いた。
「そんな事、言わないでよ。」
「……勘違いするぞ?」
「いい!勘違いされても、いいよ?」
「っ!」
薫はあかりの手を振り払おうとする。だが、バランスを崩してあかりを巻き込んであかりに覆いかぶさった。
「薫君……」
「……」
視線が繋がる。心が跳ねた。
「なんだよ。いい加減にしろよ!早く未来に帰れ!それとも襲われたいのか?!」
「……うん。」
「?!」
「薫君になら、いい、よ?」
そう言って視線を逸らす。
「っ!バカ女……!」
薫はあかりの服のボタンを外す。胸元が露になった。あかりは恥ずかしそうに身体を捩る。あかりのそんな様子を見て薫の心臓は跳ねる。あかりはスカートをたくしあげる。下着が露になった。薫の手があかりの太ももをなぞる。
「きゃっ!?」
あかりは恥ずかしさで涙が滲む。
「……」
薫の手は止まった。
「なんで逃げないんだよ?」
「……」
「……はぁ、泣くな。冷めた。」
薫はあかりの服のボタンを止め直してたくしあげられたスカートを元に戻す。
「早く出ていけ。」
「やだよ。私……っ!」
「お前がすべきなのは身売りじゃなくて未来へ帰る事だ!!さっさと出てけ!!タダ飯食らい!!」
「っ!?」
あかりは泣きながら部屋から出ていった。
「……何やってんだよ。俺……」
太ももを触った柔らかい感触が手に残る。顔が熱くなる。熱が冷めない。薫は頭をかかえた。




