第27話 僕のあかり
ずぶ濡れで帰った為翌日風邪を引いてしまった。熱があるので学校を休み、ベッドで寝転がる。
「……私が気になって仕方ない……か。」
改めて昨日の灯籠の言葉を思い出してあかりは赤面した。放課後、いきなり部屋の扉が開いた。
「!?灯籠君?!どうして?!」
そこにいたのは灯籠である。
「お前が心配で見舞いにきてやった。」
「ありがとう。」
「あかり!」「あかりさん!」
薫と葵も部屋へと入ってきた。どうやら灯籠が何かしないか心配らしい。
「私は大丈夫だから。」
「お前達邪魔だ、部屋からでろ!」
「なっ!ここは俺の家だぞ?!」
「そうですよ!灯火君!」
あかりが大丈夫だからと言うと2人は渋々部屋からでた。
「……で、熱は?」
「大丈っ……?!」
あかりの額に灯籠は額をくっつける。
「ない、みたいだな。」
灯籠の顔が近くて赤面する。灯籠も赤面した。
「……あかり。」
そのままキスされそうになる。
「?!」
ギリギリの所で止まった。顔をあかりから離す。ドキドキがおさまらない。
「今日は顔見に来ただけだから、もう帰るな。」
灯籠はそれだけ言って帰ってゆく。後から薫と葵があかりの部屋に入ってきて大丈夫かと問う。大丈夫だよというと2人とも安堵した。翌日、あかりが登校すると、靴に画鋲があった。
「へ?」
教室へ行くと机に落書き、そして机の中にはダンゴムシが入っていた。
「なんで?」
そう思っていると後ろからバケツの水をかけられる。
「!?」
そこに居たのは灯籠だった。
「灯籠君!?なんで?!」
「は?僕が本気でお前なんか好きなるとでも?笑わせるなよ!」
「どうして……」
「お前が僕を裏切ったからだ!!」
「え?」
周りの人間達は見て見ぬふりをする。誰も助けてなどくれない。
「昨日、家に帰る時、緑さんに会った。そしたらお前が本当は薫を好きで僕を裏切ってるって聞いたんだ!」
「そんなわけっ!」
「通りで葵を庇うはずだ!好きなやつの弟だもんな!」
あかりは違うと言うが灯籠は聞く耳をもってくれなかった。びしょ濡れのあかりは体操服に着替えて1日をすごした。放課後、帰る時、灯籠の元へいく。
「灯籠君!」
「なんだよ!ブス!」
「話しを聞いて!私は裏切ってなんかない!」
「話す事なんてない!」
灯籠はあかりを突き飛ばす。
「きゃっ?!」
「…………いい事思いついた。こい!」
そのまま男子トイレに連れ込まれる。
「灯籠君?!」
「…………薫より僕が好きなら、出来るよな?」
「な、何を?!」
あかりは恐怖で震えた。これから何をされるのか怖かった。
「キス。」
「へ?」
「だからキスだ。」
「キス?」
「ここに、しろ。」
キスを唇にするように言われる。もっと酷いことをされると思ったあかりは拍子抜けだった。だが、唇にキスもできない。
「そ、そんな事……」
「いいから早くしろ!」
抵抗できない。狭い空間で逃げることもできない。
「……もういい。」
そう言うと灯籠はあかりの首筋に吸い付き、キスをした。
「あ、あ……」
「……ぷはっ……これでお前は僕のものだ。」
首筋にはハッキリとキスの跡が残る。
「あかり。今度はお前がしろ。それならできるだろ?」
灯籠はあかりに首筋を見せる。
「え、でも、私した事ないよ。」
「いいからしろ!」
あかりは恐怖から仕方なく首筋にキスする。キスが終わると灯籠は満足そうに言った。
「僕のあかり。僕のだ!誰にも渡さない!」
「灯籠君。」
そのまま抱き寄せられた。
「あっ」
「あかり、僕のものになれ!僕だけの!」
「灯籠君……」
抱き寄せられる力が強くなる。
「うん。」
あかりは頷いてしまった。このまま叔父さんが自分を好きでいてくれたなら、薫や葵を殺したりしないのではないかと思ったからだ。
「!ちゃんと、言葉にして言ってくれ。」
「…………私は灯籠君のだよ。」
「っ!」
その言葉に灯籠の目は輝いた。
「あかり……」
そのままキスされそうになる。あかりが少し嫌がっていることに灯籠は気づくと頬へのキスに変えた。
こうして、月日は流れ、夏祭りの日になった。灯籠と一緒に行くことになる。
「あかり、馬子にも衣装だな。」
「それ褒めてないよね?」
軽口を叩きながら2人はお祭りを楽しんだ。これで、いいんだ。これで……。なにも起こらずにすむ、誰も傷つかない。そう思った時だった。葵と薫が楽しそうに歩いているのを見かけた。そう、これで2人は死ななくてすむ。
「あかり?どうかしたか?」
「なんでもな……痛た」
見るとあかりは靴擦れになっていた。
「あかり」
「へ?!」
灯籠があかりを姫抱きする。
「だ、大丈夫だよ!」
「もう帰るか。」
2人はそのまま家の方向へと帰ってゆく。道行く人に注目されてあかりは顔から火が出る思いだった。家までつくと灯籠は帰ろうとした。
「待って!」
「?なんだ?」
今帰られたらまずい。もし、葵君や薫君にでくわして喧嘩にでもなったら……。
「部屋で、休んでいかない?」
「……別にいいが。」
あかりは、葵と薫が無事に帰った来られるまで灯籠を監視しようと思った。部屋につく。
「靴擦れ、絆創膏貼った方がいいぞ。」
「あ、うん!」
絆創膏を棚からとると、あかりはベッドの上に座った。
「かせ。」
灯籠が絆創膏を貼ってくれる。
「ありがとう!……きゃ?!」
あかりはいきなりベッドへ押し倒される。
「灯籠君?」
「あかり。好きだ。」
そのままキスされそうになるがあかりが少し抵抗すると灯籠はやめた。
「何だ、誘って来たわけじゃなかったのか?」
「そ、そんなわけないじゃん!!変態!!」
「……僕は別にいつでも……いや、いつまでも待ってる。」
「?何を?」
「お前が、僕を好きになるのを、だ!」
「っ!灯籠君……」
「だから、それまでは、これで、我慢する。」
そう言ってあかりの額にキスした。
「ありがとう。灯籠君。」
あかりはほんのり頬を赤らめた。
「……あかり。」
そのまま抱き寄せられる。灯籠の体温を近くで感じた。




