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灯火のあかり タイムスリップして母の初恋相手と恋しました?!  作者: ユキア


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第19話 ずっと、ずっと貴方を……



翌日も葵の靴箱の上靴にはカッターの刃が入っていた。



「むー!ちょっと文句言ってくる!」


「あかりさん!大丈夫っ!大丈夫ですから!」


「大丈夫じゃない!!」


あかりは灯籠の元へと文句をいいにゆく。だが相手にされなかった。


昼休みになって葵がトイレに立った時だった。あかりは何か嫌な予感がして葵についてゆくことにした。トイレ前で待っていればいいのだ。そう思ってついてゆく。すると前回より早い段階で葵は突き飛ばされた。あかりはそんな葵を庇って葵を抱き寄せて階段を一緒に転がった。


「あ、あお、葵、くん。」


「あ、あかりさん?!」


あかりは直ぐに病院へと運ばれた。葵は軽い打撲だけで済んだ。


「あかりさん!どうしてボクなんか庇ったんですか!ボクなんか……ボクのせいで……」

あかりは眠ったままだった。翡翠がそっと葵の肩を叩く。


「葵、あかりはお前を助けたい一心でこんなことをしたんだ。わかるな?」


「わかります!わかりますけど!こんなっ!こんなことっ!ボクのせいで!!」


「あ、あおい、くんのせいじゃないよ。」


「あかりさん?!」


あかりの目が開いた。起き上がろうとする。


「痛った。」


「軽い脳震盪を引き起こしてるそうだ。まだ寝ていた方がいい。」



「おい!穀潰しが階段から転げ落ちたって本当か?!」


薫が後からやって来る。

「兄さん、ボクの、ボクのせいなんだ。」


「葵のせい?何故だ?」


「灯火君に突き落とされて、それを庇おうとあかりさんが……」


「……見たんだな?灯火が突き落としたところ。」


「うん。」


「警察に相談しよう。これはやり過ぎだ。」


警察に相談した。だが、村を仕切る家の1つの灯火家の息子がそんな事をする訳ないと相手にされなかった。


あかりはしばらく入院することになった。

「あかりさん」


「葵君、今日も来てくれたんだね!ありがとう!」


「いえいえ、当たり前ですよ。ボクのせいで……痛っ」


「?どうかしたの?」


「いえ、なんでも……」

見ると葵の手の絆創膏から血が滲んでいた。

「もしかして、今日もカッターとか画鋲入れられてたの?!」


「あ、はい。気づいて退けようとしたら誤って切ってしまって……」


「灯籠のやつ……!」


「大丈夫ですよ。これぐらい。」


ダメだよー、とあかりは言っていたが葵は平気だと言った。しばらくすると薫もやって来た。


「おい、穀潰し。お見舞いに来てやったぞ!」


フルーツのバスケットを抱えて薫はやって来た。

「穀潰し、どれを食べたい?」

「じゃあ、リンゴ!」


「おう。」


薫は器用にリンゴの皮を剥いてゆく。


「あかりさん。早く元気になってくださいね。」


「大丈夫!もうすぐ退院だって言われてるから!」


和気あいあいとしているとそこに招かれざる客が来た。


「……よお。」


「「「?!」」」


そこに居たのは灯火灯籠だった。


「お前っ!何しに来た!?」

「あかりさんには手出しさせません!」


「……、あのな。一応謝りに来たんだよ。灯火あかり。」

あかりは不思議そうな顔をした。

「謝りに?」


「そうだ。その、すまなかった。じゃあな。」


それだけ言うと灯籠は帰ってゆく。おじさんもおじさんで責任を感じたりしているのだろうか?灯籠の思惑はわからないままだった。そしてしばらくたって退院することになった。



「あかりさん、やっと退院ですね。よかったです。」


「無事に退院できてよかったな。」


「うん!ありがとう!葵君!薫君!」


そしていつもの日常が戻ってきた。ある日の夜、眠れないあかりは廊下へと出る。すると葵がいた。


「葵君眠れないの?」


「あ、はい。いつもの事です。」


「隣りいい?」


「はい。」


葵の隣りに座るあかり。


「あかりさん。ボク、決めたんです。」


「?何を……!?」


あかりの手を葵はとる。


「あかりさんを守りたいって!」


「私を?」


「はい!あかりさんはボクを身を呈してまで助けようとしてくださいました。だからボクも何かお返ししたいなと思ったんです。」


「お返しなんて要らないよ。」


そういう訳にはいかないと言う葵。

「あかりさん。ボク……」


葵は真剣な顔であかりを見つめ手を握る。

「ボク、あかりさんの事が、好きです。」


「え?」


握られた手に僅かに力が込められる。


「あお、葵君?!」


「ずっと、貴方を思っていました。」


「ええ?!」


「ずっと、ずっと、ボクを庇って入院してから貴方を思っていました。」


「あ、あお、葵君?!」

葵は優しくあかりの手を離す。


「すみません、いや、ですよね?ボクなんか……」


「…………いやじゃ、ない、よ?」


赤面するあかりに葵は再び手を握りあかりの顔を真剣に見つめた。


「ボクで、いいですか?」


「…………ちょっと考えさせてほしい。」


「はい。いつまでもまっています。」


あかりと葵はそう話すと、それぞれの部屋へ帰った。葵の手の感触が消えないままあかりは部屋に帰る。


「葵君……。」

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