第15話 1度目の終わり
運命の夏休み。その日は夏祭りだった。3人とも楽しみにしていた夏祭り。この夏祭りを境に全てが変わるなんて誰が思っただろうか?
「あかりさん!」
「あかり」
3人で夏祭りにきたあかり、出店を見ながら歩いてゆく。たくさんの出店が翡翠の祠まで続いていた。すごい人混みで途中であかりと葵は薫とはぐれてしまう。
「兄さんどこにいったんだろ?」
「ここで待ってればくるかな?」
2人は翡翠の祠で待っていた。そこに叔父さんが現れる。
「ちっ!葵っ!!」
「ひゃっ?!なんですか?!」
「ちょっとこい!」
無理やり葵を連れてゆく叔父。あかりは叔父から葵を救おうとするがうまくいかず2人を見失ってしまった。そこに薫が合流する。
「あかり、……葵は?」
「薫君!大変なの!」
「!?」
☆☆☆☆
薫とあかりは手分けして葵と灯籠を探した。そして、運命は繰り返す。薫は祭囃子の中夜道を走る。
「葵ー!」
薫は弟を探した。たった一人の大切な家族を。
「葵ー!どこだぁ!!葵!?」
虚しくも運命は変わらず、少年は林の中で変わり果てた弟の姿を見つけてしまう。
「葵?!どうしてこんなひどい事を?!」
ぼろぼろの弟を抱き抱えながら彼は涙する。そんな彼の後ろに影一つ。
ガンッ
「なっ?!」
薄れ行く意識の中、彼は祈った。
「神様、どうか、弟だけはっ…」
意識は暗闇に飲まれていく。
「神様、どうか、弟を救ってくだ、さい……。」
「………その願い、再び聞き届けた。」
翡翠はそういうとあかりの元へゆく。
「あっ!翡翠様!葵君と薫君みませんでした?」
「2人ならもういない。」
「へ?」
その日、翡翠に言われてあかりは家に帰った。だが、そこには誰もいない。
「翡翠様。2人はどこに?」
「……。」
「なんで、答えてくれないんですか?!」
「……我から言える事はない。」
「っ!灯籠叔父さんの所かも!」
あかりは灯火家へと向かった。
「こんにちは!」
インターフォンを押すと出迎えてくれたのは若かりし頃の祖母である。
「おろ?女の子?珍しいのぉ。灯籠?炬?どっちの友達じゃ?」
「あ、いや、その、紫源君来てませんか?」
「紫源君?いいや、きとらんが……」
「そうですか……」
あかりは肩を落としてそのまま帰っていった。その様子を灯籠は2階の窓から見ていた。警察に届出をしたあかり。だが、2人が見つかる事はなかった。夏休みが終わる。だが、登校する2人の姿はなく、この事件は神隠しと言うことにされた。
学校で灯籠を問い詰めるも、知らないの一点張り。
「葵君、薫君……。」
あかりはただ家で泣く事しか出来なかった。
「あかり」
「なんですか?」
「2人に会いたいか?」
「当たり前です!!」
翡翠は目を閉じるようにあかりにいった。あかりはいわれるままに目を閉じる。次に目を開けた時、そこは……。
「あ、ご、ごめんなさい。急いでて……じゃあ」
葵とぶつかった時に戻っていた。葵は大急ぎで学校へ走ってゆく。
「葵君!?……どう言う事?」
「またやり直しと言うやつだ。今回こそは2人を救ってくれ。」
「……神は人の営みに干渉できないんじゃあ?」
「できないのではない。なるべくしない、それだけだ。我としてもあの2人には生きていて貰わなければ困るんだ。」
「そっか、私、頑張る!今回こそ!2人を救ってみせる!!」
そうして2度目のループが始まり、あかりの奮闘の日々が始まった。
不定期更新ですがよろしくお願いします。




