第11話 夏休み
転校してきて初めての期末テストが始まった。
「テストやばいー!」
「帰ったら3人で勉強会しましょう。」
「うん!」
葵とあかりはそんな話をしながら席についていた。テストが終わると、テスト期間で生徒会がない薫と3人で帰る。
「お昼なににしようか?」
「なんでもいいだろ。」
「確か、昨日の肉じゃがが残っていたような。」
そんな話をしながら家に帰る。あかりにとって葵と薫の家はもはや自分の家のように親しみを感じていた。あかり達は荷物を部屋に置いて居間にいく。
「肉じゃがあっためるね。あと、おひたし作るね。」
「ああ、頼む。俺はご飯炊くから、あかりは味噌汁を頼む。」
「はーい!」
3人は手分けして昼食を作った。
食事ができると3人は居間で食べた。
「この後は勉強会だな。」
「ええー、勉強ばっかり飽きたよー!」
「ははっ、ボクも勉強ばかりで疲れてます。」
「2人共情けないぞ!」
なんてたわいない話をしていた。この日々がずっと続くと思っていた。
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テスト期間が終わると夏休みが始まった。
「夏休み!遊ぶぞーー!」
あかりはさっそく遊ぶ気まんまんだった。
「まずは夏休みの課題を終わらせるのが第1だ。」
薫によって出鼻をくじかれる。
「えーー!」
「はーい」
そして3人での勉強会をして1週間後に3人は宿題を終えた。薫は最初の3日で終わっていたが後の2人は1週間必要だった。
「よしっ!改めて遊ぶぞー!」
「何しますか?セミ捕りとかどうですか?」
「セミ捕りかぁ!いいな。」
葵の提案が採用され、3人でセミ捕りをする事になった。近くの雑木林でセミ捕りをする。
「えいっ!」
あかりが木に止まっている蝉を捕まえようとすると蝉は網に入らずに飛んで行ってしまった。葵も蝉を取ろうとして転んでしまっていた。唯一蝉を大量にゲットしていたのは薫だった。
「大量だな!」
3人は日が暮れるまで蝉取りを楽しんだ。夕暮れの中、蝉達をリリースして、家まで帰る。晩御飯の用意を3人で仲良くして食卓についた。
「全然捕まりませんでしたね。」
「そうだね。」
「俺は大量だった。」
なんて、話ながら食事をした。葵は兄さんやっぱりすごいと薫を褒めちぎっていた。
「明日は何しようか?」
「そういえばもうすぐ夏祭りだな。」
「そうですね。」
「夏祭り?」
部屋の入口に立っていた翡翠の顔が陰る。
「そう、夏祭りがこの村にもあって、」
「毎年たくさんの出店がでるんです!」
薫と葵の顔は明るく、嬉しそうだった。
「夏祭りかぁ!楽しみ!」
あかりはそういってお味噌汁を飲んだ。
「兄さん、村長だから来週の会合に出ないと!夏祭りの事について決めるんでしょ?」
「そうだな。覚えている。問題ない。」
「え?村長?」
「はい、兄さんはこの村の村長なんです!」
「ええええ?!」
「別に大した事じゃない。灯火家と紫源家で順番に村長をしていて、今、紫源家の番ってだけだ。」
「薫君すごいね!生徒会長もして村長もするなんて!忙しいね!」
「ああ、そうだな。」
「兄さんは本当にすごいんです!」
確か、未来ではおばあちゃんが村長だったっけ。どうして薫君や葵君の家はあんなに荒れ放題だったんだろ?
「うーん」
「あかりさんどうかしましたか?」
「ううん、なんでもない!」
しかし、運命は着実に近づいて来ていた。翡翠は3人の談笑を聞きながらため息をついた。




