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社会問題エッセイ

【AIを駆使して芥川賞】令和の著作物について【人間淘汰も近い?】

作者: 中将

筆者:

 今回はご覧いただきありがとうございます。


 本日は芥川賞受賞式で九段理江氏が、


「今回の小説に関してはAIとかチャットGPTとかを駆使して書いた小説でして。全体の5%くらいは生成AIの文章をそのまま使っているところがある。

 うまくこれからも利用しながら、かつ、自分の創造性を発揮できるような。うまく付き合っていきたいと考えております」


 と述べられたことに大きな反響があったことから、「AIによる著作物」。特に文章について考えていこうと思います。



質問者:

 私としてはAIを使って作品を書いたことを公言されたことが驚きでしたし、

技術の進化はここまで来たのかという感じでしたね。



筆者:

 まず、現状の生成型AIについてちょっとおさらいしてから本編に入ろうと思います。


 現状の生成型AIはある程度“変数“を入れることによって、質問に対する答えの仕方が少しずつ異なる特徴を持っています。


 というのも「文の始まりから、次に来る可能性が最も高い単語を予測していく」という仕組みになっているようで、その上で100%同じ予測することは特に有料タイプのシステムですとかなり稀と言えます。


 つまり、検索エンジンのように同じ用語だと同じ答えが出るタイプ(もちろん時間経過で変化はする)ではなく使用者が何度も質問をしたり、質問の仕方を変えて調整しないといけないものなのです。


 前後の文脈を考えた場合には生成型AIに対してかなり質問をしていかないと、

“違和感”のある内容になってしまうと思います。


 それにもかかわらず選考委員からは「完成度が高い」と評価されているので、

九段氏も相当試行回数をこなして調整されたことが推察されます。


 賛否はあると思うのですが、これはこれなりに一つの“努力”とみていいと思います。



質問者:

 なるほど、AIを使ったとは言っても思ったより一筋縄ではいかないのですね。



筆者:

 対話型AIは完璧な答えを出すものではなく、統計的に人間と自然な会話のように論理立てられた「ように見える回答」をしてくれるツールです。

 あくまで会話道具として存在しているのです。


 また、AIそのものを作る際の元データにも結果は影響されてきますが、

多ければ多いほど偏りは減ってくると思います。


 「基礎的な情報量が多いアドバイザー」という位置づけだと“今のところは”思います。


 ※ただしAI作成者側が恣意的に特定の情報のみを選んで除いたり、増やすことは可能で、ある種の“思想統制”が可能ではあります。



質問者:

 その言い方が気になりますね……。



筆者:

 ここまで申し上げてきたことは“現状のAI”についての解説なんですね。

 今回の九段氏のそのまま使った使用率5%程度にとどまっていますが、

今後は公言されることなく密かにかなり高い使用率になる可能性はあると思っています。


 また、生成型AIで話題になった精度の高いChatGPT3.5が出てきたのは2022年11月。

 それより前の精度の低い会話型AIが一般公開されたのは2020年というのが実情なんですね。


 まだこの歴史は多く見積もっても3年とちょっと、話題になってからでは1年やそこらなんです。


 世界が今最も注目している技術ですし、今日明日にも突然革新的なAIが登場してきてもおかしくはありません。

 

 今のところは入力する用語を調整しない、回数が少ない状態ですと“違和感のある作品”になってしまうので、人間が淘汰されることはまずないと思っていますが、


 革命的な技術革新が起これば、SF小説のような「作る側もAI」「審査する側もAI」みたいな状況になってしまう可能性はあると思っています。



質問者:

 なるほど……。


 AIが作った作品ですと「著作権」について問題になると思うのですがそれについてはどうなんでしょうか?



筆者:

 法律論に入るためにはまず保護される権利かどうか? という定義について確認していきたいと思います。


 著作権法2条一では、


「著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」


 とあります。

 

 AIがまず感情を持っているとは思えないので阻却されそうなのですが、

 AIに投入した元データに関しては「思想又は感情を創造的に表現」したものが含まれているために、著作権侵害ではないか? と言われているわけなのです。


 ただ一筋縄でいかないのは、事実や単語、ありふれた表現、データなどの場合は著作権が発生しません。

※例えば、「こんにちは」などの挨拶や今日の株価の結果などのことです。


 ここに自分の意見や評価が加わってくると、著作権がだんだんと生じてくる感じです。


 また、過去の創作物だと著作権が切れているものもありますし、そういったデータばかりだと言われてしまえばどうしようもありません。


 AIを作っている側としたら、投入しているのはこういう「保護されていないデータ」だと主張することもできるわけです。


 ただどういう元データを投入しているか一般人には公開していないことが多いので、

何とも言えないと思うんですけど。



質問者:

 なるほど、そもそもAIが作ったものが「著作物」定義に当てはまるか怪しいから、

 国が新しい法律を作るかどうか議論をしているんですね……。



筆者:

 端的に言ってしまえばそういうことになります。


 ここからは、失うものが何もない「軽い立場」の作者としての僕の意見になりますが、

 しっかり生成AI作品に関して法律で線引きし、どのラインから守るか守らないかハッキリした方が良いように思います。


 特に、元データでどういう情報までなら合法・違法か明確にした上で、

 生成AI側もどんな情報を投入したか開示していく必要があります。


 現在のような曖昧あいまいな状態ですとAIを使う側としても合法ラインだとしてもどこかに“後ろめたさ”があり、

 使われた側も立場がある人であればあるほど「侵害された」と思うことでしょう。


 ただ、法律で線引きしても必ず「違法状態AIが作った作品」を使ってくる人というのは現れると思うんですよね。



質問者:

 100%違法AIで作った作品なら、もしかしたら見分けられるかもしれませんが、

 そうでなかった場合は難しいんじゃないですか? 

使ったのが20%とかだった場合かなり難しい気が……。


 AIの技術が発展すればするほど、人間の作者にとってはかなり逆風になってくると思うのですが……。



筆者:

 僕はそうは思いませんけどね。


 ここで今後、令和時代の作者に求められることとして僕が紹介したいのは、


「直観力」


「曖昧さ」


「個性」


 この3つが大事になってくると思います。



質問者:

 何とも言えない言葉ばかりですね……。



筆者:

 まず直観力は「なんとなくこうだろう」みたいな根拠があまりない感じのことです。

 これの感覚はなかなか統計データに基づき次を生成していくAIにはない感覚だと思います。

 ただ、人間の直観力についても突然何もないところから湧き上がってくることは、預言者とかチャネリングみたいなことを行える人じゃないと難しいので、


 皮肉にも人間側としても情報を蓄積していかなくてはいけません。


 この直観力についてはAIを活用する上でも重要な能力だと思っておりまして、

 AIが提示する選択肢が多い中で“何となくこれだと選ぶ”ことの精度を上げることが大事です。


 ちなみに、研究では森林浴などリラックスをしていくことで直観力が上がる可能性が示唆されています。



質問者:

 直観力は誰にもありそうなことですけど、その力を強めていく必要があるんですね。

 


筆者:

 そうなります。


 次に、「曖昧さ」というのは特に心の揺れ動きのことです。

人間は1つの感情100%で占められているわけではないことがあります。


 例えば付き合っている人のことを、

「基本的にはタイプなんだけど、根本的な価値観で合わないから別れる」みたいな相反する感情が内在している感じのことを示します。


 こういった感覚を、会話や心理描写などでうまい具合に表現することが差別化の上で大事になってくると思います。



質問者:

 確かに頻繁にくっついたり離れたりするカップルってありますよね……。

 「理屈に合わない行動をすること」は確かにAIには理解しがたい可能性はありますよね。



筆者:

 「謎めいている」けど「なんとなくわかる」こんな感じが読者にも共感を得られて理想なのかもしれません。


 僕は即断即決なんで「曖昧さ」については課題ですね。


 最後に「個性」ですが、誰もが十人十色の人生を歩んでいると思いますので、それを投影させることが大事だと思います。


 そのためには自分がどういった価値観を大事にしているかをいくつか書き出してピックアップし、

それに特化することが良いのかなと思っています。



質問者:

 筆者さんは「個性だけ」は心配なさそうですね。

 そもそもこんな風に対話しているエッセイ自体が少ないです。


 政治経済のエッセイが多いのにマスコミ発表を斜め読みしているとか最早意味不明ですし……。



筆者:

 それが大衆にウケるかはまた別問題ですけどね(笑)。

 僕の政治経済エッセイについては書いてて僕自身がいろいろと知れて楽しいのと、

 一人でも多くに周知することを重視しているんです。

 そもそも見ているベクトルが違うのかもしれませんがね。


 話は戻りますが、皆さんどこかしらAIに対して潜在的な「恐怖」に近いものを抱いているので、

 AIの作品に対して少なからず嫌悪しているのだと思います。


 産業用ロボットが開発された時代やインターネットが普及し始めたころも実は同じような「未知の技術への恐怖」が蔓延していたようです。

 今はそれに近い状況だと思います。


 確かにAIの比重を高めた作品は増えていくかもしれませんが、


 僕はむしろそれを乗り越えるだけの個性溢れる人間の作品が増えるのではないかとむしろ胸を高鳴らせていますね。



質問者:

 少なくとも一般人としてはこのAIの進化の流れを止めることができないので、

 前向きに捉えていかないとやっていけなさそうですよね。



筆者:

 流れに逆らうのではなく、逆にその流れを「うまく乗りこなす」それが今後の令和に生きる上であらゆる分野で必要になっていくと思っています。


 と言うことでここまでご覧いただきありがとうございました。


 今後もこう言った時事情報や政治・経済、マスコミの問題について個人的な解説をしていきますのでどうぞよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] AIで書くのもなんでも、人それぞれ好きにすればいいのでは、と思います。 多分、ここにいる『物書き』を自認している人間は、みんな書きたいから書いているのです。 「筆を折れ」と言われても書く…
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