ドタバタの転生
「なんで勉強の点を増やす能力が
この世の中にはないのでしょうか」
「……そんなチート級な能力あったらそんな世の中苦労しねぇぞ」
と、ぼくは姉の穿紅月玖憂と そんな会話しながら大通りを歩いていた。
「どう考えてもこんな変な能力が あってもプラマイゼロなんだからさぁ」
「だったら、そういう能力が欲しかったなぁ」
「……また今月も補習なのか?」
「あっはっはっは。そうだよ 正解です~」
「まぁ、少なくともこいつの性格上 無理だったらとことん諦めるからなぁ」
「だろ?」
「なぁんで私には天気を変える 能力しかないわけ? 意味わからんすぎやろ」
「……魔法を貰ってるだけ ありがたいと思うぞ。 言っとくがぼくにはなんもないからな」
「けど、貴方だって 口癖のように毎日愚痴を言ってるじゃん」
「こんな能力 要らなかったって」
「いや姉ちゃん……ぼくの能力なら そう考えたって当然だろうが……」
「それでも魔法を貰えてるんだったらありがたいんじゃなかったけぇ?」
「このくそ野郎……お前は自由自在に天変地異 起こせるんだからいいじゃないか」
「……それに対してぼくなんか」
ため息をつく……。
「まぁ能力としては多分 強いと思うけどさぁ……」
「強いんだったら万々歳じゃん 能力使っちゃえば ワンパンよワンパン」
「お前……ワンパンの意味分かって言ってるのか?」
「もちろんよ」
「じゃあそろそろ家にかえるか。」
「……曖昧ねぇ」
「は?」
「能力者ってさぁ少ないけど 強いじゃん?
それなのに人間は私たちのことを 悪って決めつけて 種族が違うだけで同じなのに」
「……姉ちゃん それは……」
「何? 私は本当のことを言ってるだけ……」
「ごめん……さっきのはなかったことにしてくれ」
「能力者は絶望と憎しみに染まると 鬼になる……」
「大丈夫だよ…もし姉ちゃんが鬼になっても ぼくが守るから……」
「ありがとう…嬉しい……」
……もし姉ちゃんが本当に鬼になってしまったら ぼくはどうするのかな…
多くの人間に迫害を受けるのだろうか……
もしそうだったらぼくは孤独を選ぶだろうか?
「豆?」
まぁ…今考えなくてもいっか……
「今行くよー」
その言葉に対する疑問に応えるのは まだ経験不足なのだからー
そうのんびりと適当に話していたその時だった これから予期せぬ悪夢が来ることをぼくたちは
ー知らなかったのだ… 唐突にその悪夢は始まったー
「「「キャーーーーーーーーーー「」」
悲鳴。混乱。
どういうことだ? 今何が起きてる!?
「どけ! この鬼を捕らえろ!!」
その声に振り向くと、警棒と拘束具を持った警察官が走ってくるのを見えた。
悲鳴が聞こえる。警察官が走ってくる。手には銃? それをめがけて撃つ相手は……。
「姉ちゃーーーーーん」
ぼくが姉ちゃんを突き飛ばした瞬間、腹に焼けるような痛みが走った。 ぼくはその場に倒れ吐血する。
なんでだよ…どうしてこんなことに……?
「糞がぁぁぁぁーーーー」
叫びながら自害する警察官を眺めて、姉ちゃんの無事を確認しため息をつく
……なんでこんなことになったんだ? ぼく…このまま死ぬのか…? 時を巻き戻したい……
『確認…時間を巻き戻す程度の能力取得成功しました-』
ん?なに…もしかして撃たれちゃった……?
『確認…事象操作 思考保存 永遠ノ命 取得成功しました-』
うるっせぇ……なんなんだよ……もう
ぼくはまだ叶えてない!素敵な巨乳の美少女ちゃんともやってないのにー……
『確認…女の子の身体を作成します……成功しました-』
あぁ?なんなんだこの声……
つぅか会社でもいじめられてブラックだったよー毎日…
『確認…炎を操る能力 未来視 弾幕を倒す程度の能力 取得成功しました』
…あぁーぼくも魔法欲しかったなー武器や精霊を召喚したりとか……
『確認…精霊召喚 悪魔召喚 天使召喚 大千本槍 取得成功しましたー』
くっそ…こんなことならハーレム作って食いまくりたかったー
『確認…生喰者取得成功しましたー』
『続けて0を取得成功しましたー……』
?は……つぅかなんなんだよ……人が死ぬっていうのにー
お前には第2の生を生きてもらう…OZUの魔法使いとしてーーー
はぁぁぁぁぁ?
せいぜいがんばれ 見守っておるぞ ほっほっほ
「ちょいまて笑えねぇよこのくそ狸! まて誰かさん?」
だれかさぁぁぁぁぁん‐-ーーー
こうしてぼくの悪夢のような人生はこうして始まった……