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うちのくまぴー ~うちのぬいぐるみ動くししゃべります  作者: MARIKO.M
第四章 くまぴーと新しい出会い
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第10話 れおちゃん誕生


パパはお昼前に病院に来ました。でもママはもう分娩室に入っていたので会うことはできませんでした。ママのバッグを病院の人から渡されたパパはカバンに付いていたくまぴーにどうなったのかこっそり聞きました。

でもくまぴーも病院に来るまでは知ってるけど、その後はロッカーに入れられていたのでわかりませんでした。


ただじっと廊下で待っているだけの時間が過ぎていきました。

くまぴーはふと「ひまりちゃんは何時に帰ってくる日なんだろう?」と言いました。ひまりちゃんはお家の鍵を持っていないのでママがいないとお家に入れません。

パパはハッとしてひまりちゃんの学校に電話して帰りの時間を聞いて迎えに行くから学校で待っているように伝えて欲しいとお願いしていました。


お迎えの時間になってパパとくまぴーはパパの車で学校に行きました。初めて見るひまりちゃんの学校にくまぴーは興味津々でキョロキョロしています。ひまりちゃんがパタパタ走ってきました。「パパどうしたの?学校にお迎えに来るなんて初めてじゃん」と焦って聞きました。

「ママが病院に行ったから迎えに来た」と言ってひまりちゃんを車に乗せました。


ひまりちゃんはカバンを後ろに置こうと振り返った時にくまぴーがママのバッグに小さくなって付いていたのに気づきました。

「くまぴーどうしたの?」「ママはどうしたの?」とくまぴーに聞きました。

「ママは赤ちゃんが生まれるから病院に行ったの。一人だったからくまぴー心配で病院に付いて行ったんだ。」

「えーもう赤ちゃん産まれたの?」

「いや、まだ」とパパが答えました。

「じゃあ早く病院に行こうよ。楽しみだな-」とひまりちゃんはウキウキしています。


「弟かな、妹かな。パパはどっちがいい?」

「どちらでもいい」とパパは運転しながらぶっきらぼうに返事します。(パパはママが心配で気が気でありません。何もできずにずっと長い間待っていたのでイライラもしています)


「あーっ!」とひまりちゃんは突然大声を上げました。

「どうしたの?ひまりちゃん」とくまぴーがびっくりして尋ねました。

「まだ名前決めてないのに生まれちゃうよ。どうしよう・・・」

「生まれてから届け出まで二週間あるから大丈夫」とパパが答えました。

「名前すぐ決めなくてもいいんだーよかったよ。でも『赤ちゃん』って呼ぶのも可哀想だから早く決めてあげたいよねー」

「確かにそうだね。でも男の子か女の子かわかってから決めた方が早くない?」とくまぴーは答えました。

「そうだよねー、ママもサプライズがいいって先生にどっちか聞かなかったもんねー」

と二人と一匹で話しているうちにママのいる病院に着きました。


病院に行くともうママは病室に戻っていると事務の人に言われました。

病室に行くとママがベッドで一人寝ていました。(一人部屋です)

「ママー赤ちゃんはどこ?」とひまりちゃんが聞きました。

「可愛い男の子よ。下の新生児室にいると思うわ」とママは弱々しくでも笑顔で答えました。

「じゃあまずみんなで見てくるよ」と出て行きました。


赤ちゃんはママの名前の札が貼られたベッドに寝ているのをガラス越しに見ました。

「赤ちゃん可愛いねーみんな可愛いけど私の弟が一番だよ」とさっそく姉バカを発揮しています。くまぴーも窓からまじまじ見つめています。パパも無言で見つめています。でも赤ちゃんは何かあるのか看護師さんにどこかへ連れて行かれてしまいました。

「あーどっか行っちゃった。仕方ない、ママのところへ戻ろう」とひまりちゃんが言ってみんな病室に戻りました。


「ママー、下で赤ちゃん見てきたよ。可愛かった。私の弟が一番可愛かったよ。でも看護師さんに連れて行かれちゃった」と話していたら、部屋のドアをノックされて看護師さんがキャスター付きのベビーベッドに入れたまま赤ちゃんを連れてきてくれました。


「うわーちっちゃい。赤ちゃんってこんなにちっさいの?」

「ひまりちゃんも生まれたときこのぐらいだったよ。赤ちゃんは小さいのよ」

「名前早く決めようよー。なんかいい名前無いかな。ママ、スマホ貸して。」とママのカバンからスマホを出して調べ始めました。


「『音』の付くいい名前ないかな-。おっ『礼音』れおんはどうかな。ライオンの意味だって。強そうでかっこよくない?」

「すごくかっこいいよー素敵な名前だと思う。」とくまぴーも賛成しました。

「パパとママもどう?」

「ママはかっこいいし良いと思うわ。漢字は『礼』にするの?いろんな漢字がありそうだけど」


パパはまだ考えているのか無言です。

ママは「じゃあ一応れおんってことでれおちゃんて呼ぼうか。漢字は名字と姓名判断で良いとかあるからまだ未定ってことで・・・」とパパの考え込む姿をみて言いました。


ひまりちゃんは「やったねーれおちゃん。良い名前が付いたよ。お姉ちゃんがつけてあげたんだからね」と自慢しています。


ママは(名前はひまりに決められちゃったから漢字くらいはパパに考えさせてあげようっと。でも結局ひまりの案になると思うけどね・・・)と心の中で思いつつ、疲れたけど無事生まれてくれて本当に良かったとしみじみ思うのでした。


れおちゃん誕生おめでとう!ここでひとまず第4章が終わりです。

次は今更の人物紹介です。

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