第6話 どうしてママを病院に連れて行かないの?
なんだかママの様子が変ですね・・・。
夜になってもママは下に降りてきませんでした。ママはご飯も食べず部屋から出てきません。
明日になったら元気になってるかなと思いつつ心配しながらひまりちゃんは自分の部屋に寝に行きました。
「ねぇくまぴー、明日はママ元気になってるかなぁ?最近ずっと調子悪いじゃん」
「そうだねー明日も治ってないならパパに聞いてみよう」
「そうしよう」とひまりちゃんは中サイズになったくまぴーを抱きしめながら眠りました。
朝になりました。やはりママは起きてきません。
パパが作ったホットケーキはやはりちょっと焦げています。(ひまりちゃんのリクエストで作りましたが慣れていないのでちょっと失敗したみたい・・・)
「ねぇパパ、ママは病気なのにどうして病院に連れて行ってあげないの?このままご飯食べなかったらママどんどん悪くなっちゃう!」と泣きながら叫びました。
パパは困った顔をしたまま何も言いません。
「もう、頼りにならないパパなんて嫌い!」と叫んで二階に上がっていきます。
ママのいる寝室の戸をバーンと開けてひまりちゃんは「ママー」と泣きつきました。
ママは青白い顔をしながら弱々しく微笑みました。
「ごめんねーママ起きれなくて。でも病気じゃないから大丈夫だよ。」
後ろからパパとくまぴーが覗いています。
「あのね、ママのお腹の中にひまりちゃんの弟か妹がいるの。だからママは気持ちが悪くて何も食べられなくなってしまったの。」
「「えーっ!」」ひまりちゃんとくまぴーが叫びました。
「私に兄弟ができるの?やったー!!」とひまりちゃんは大喜びで部屋中を飛び回っています。
「だからママのお腹光ってたんだー」とくまぴーはしみじみ言いました。
「これは家族だけの秘密にしてね。おばあちゃんたちにも驚かせたいから秘密にしてほしいの。お友達とか話しちゃうと思ってひまりちゃんには内緒にしてたの。秘密守れる?」
「うーん、すっごく話したいけどサプライズのためだから頑張って内緒にするよ!」
家族の秘密がもう一つできました。
ママの不調の原因がわかりました。新しい家族との出会いも楽しみですね。
ママが秘密にしたがるのは実は悲しい過去があって赤ちゃんと確実に会えるかわからないと思っていたので悲しむ人を増やしたくなかったんです。
でもひまりちゃんをこれ以上心配させるのはできないと話したんですね。
もちろんパパは知っていましたよ。秘密にしようと思っていたけど、うまくごまかすこともできないのでただ黙るだけでしたが・・・。




