第2話 卒業式はこんなふうに
ひまりちゃんたちはずっとお休みで暇を持て余しています。いつもの休みならお友達の家に遊びにいったり、遊園地にお出かけしたりできるのに今は外出もお友達と遊んでもだめと言われてお家に閉じこもっています。
卒業生を送る会も無くなり、せっかく練習した伴奏も弾けずに終わりました。
「せっかくピアノいっぱい練習したのにな・・・」とひまりちゃんはブツブツ言ってます。
卒業式も卒業生だけで在校生はお休みになりました。
卒業式に行った人からママが聞いた所では全員マスクをして、体育館の窓を開けて国歌斉唱も伴奏だけで歌は無しだったそうです。でも校歌だけはマスクしたまま歌ったらしいです。
どっちも歌わずにレコードとかでよくない?と思うママでした。
でも卒業証書の受け取りはマスクを外して一人ずつ受け取っていたそうです。(写真を撮るためらしい)いつもと違う卒業式になんだかめでたい気分が半減して気の毒だなと思うママでした。
いつもならその後お友達親子で集まって卒業パーティーのようなことをすると聞いていたけれどそれさえできないんだろうな・・・としみじみしていました。
するとひまりちゃんは「ねーママ、クラスのお友達とはもう会えないの?」と聞きました。
「会えなくはないけど、4月からは違うクラスになっちゃう子が多いよね」
「今のクラスでお別れ会とかできないんだ・・・」と残念そうです。
「つまんないー!つまんないよー!」とくまぴーの足を持ってひまりちゃんはブンブン振り回します。
「目が回るよーーー」とくまぴーは叫んでいます。
ひまりには言えないけど、4月からも学校があるか怪しいと思っているママはそっと小さくため息をつくのでした。




