どうしてこうなった
更新遅くなってすみません。
先週から色々メンタルやられてたのですが、更新再開します!
今後もエタだけは絶対にないので!
前話までのあらすじ。
才能はゼロだが裏技的手法と努力で最強クラスの力を得たアイザック・フェイロン。
魔法極振り、ですわ令嬢を嫁に迎え、おっとり回復術士と弓術士である腹ペポンコツエルフと共に無双を求める旅をしている。
国境を越えた先に待ち受けていたのは、ホモ疑惑巨漢とチョロイン系和風魔法少女だった。カオス。
アイザック「普通の、あらすじだと……!?」
どうしてこうなった。
「はっはっはっはァ! 流石アイザック君だよぉ。まさかあっしの盾擲四投流に初見で順応するとはァ! まったくもって驚きったい」
オレの名前はアイザック・フェイロン。
非常に今更だが、16歳のCランク冒険者だ。数日前、生まれた国を初めて出た。
なんか今、模擬戦にしてはガチ過ぎる戦いを、ガチムチでガチホモなおっさんと繰り広げている。どうしてこうなった。
「これでCランクだなんて、まったく君の祖国の目は節穴だよぉ! ほら、ほらほらほらァ」
投擲が連綿と続く。オレの投擲は一方通行だが、ワプルの投げる盾は弧を描きながら奴の手元に戻っていく。
オレはそれを無心で――と言うよりも完全に別の事を考えながら――避け続けていた。無意識下以外では反撃もしていない。
実はこの街の冒険者ギルドに、国境を越える際、利を説いて指名依頼を出させた商人が言伝を残していった。どうやら村に寄り道したり討伐を楽しんでいる間に、抜かされていたらしい。
彼らが言うには、ナルヴィクが倒した甲殻犀討伐の実績と、奴の推薦によりBランク昇格試験を受ける功績として認められたとか。
思い込みが激しいキザイケメンで、互いに生理的に受け付けない筈のあいつが、オレに対してそんな事をしたとは、少し驚きだった。
理由の詳細は分からんが、好敵手扱いされていたし、多分相手のランクが低いと自分も低く見られるとかだろうな。
イルネストでも、ランク詐欺とか言われた事があったっけ。
最終的には、国境の街エル-ダに急いで戻れとの事だったが、どうせランク上げても国境越えれば関係ないしなぁ。
「今頃は、暫定Cランクパーティーとして、様子見期間にどんなクエストを受けるのか、皆で話し合ってる筈だったんだけどなぁ……」
この世界には、失われた技術とやらで幾らでも発行できる超技術のギルドカード、そんなご都合主義的なブツは存在しない。
討伐数自動カウントも無ければ、カードを謎の機械に通すだけで色々と判明したりもしない。
当然、罪人かどうかの見極めができる魔道具もない。この世界に神なんていないしな、多分。
つまり、冒険者ギルドはそれらを背景にした超法規的な組織ではない訳だ。
国家に対して一組織が相手取る事なんて出来ないし、寧ろ冒険者ギルドは各国の傘下だ。
勿論、ある程度の情報共有と相互協力は促されているが、運営基金や活動方法などは、それぞれの国のギルド派閥によってまちまちである。
国との関係がずぶずぶなところもあるし、非常に稀だが完全に独立している場合もあった。
ホント、嫌なところが現実的だよ。画一で合わせた方が楽だと思わんのか。
正直、冒険者が他国に行くのは、大抵の場合国境砦を越えやすいくらいの利点しかない。
長くなったが、早い話は冒険者ランクというものは国を跨ぐと何の権威にもならないという事だ。だからこそ、エルーダに戻る気なんか微塵もないんだけどさ。
精々、出国時のランクを参考にされる程度だ。
例えば、新進気鋭のAランク冒険者であるナルヴィク・ランカスターも、この国に訪れるのが初めてなら、恐らくはBランクとしてスタートだろう。
あの勘違い君も面識があるらしい【流浪の居候】……じゃなくてイソーロだったか、各国でも知名度に優れたSランク冒険者であれば、大抵の国では降格されないだろうけど。
これもまた、ナルヴィク・ランカスターがオレの行動にケチを付けた理由の一端である。
普通、新天地であればそこでの信用を得たり、ひとところに留まって活動するものだからな。
オレにはそんな食えもしないものは基本的に不要なので、無双チャンスか美味い食材を優先するけどね。
「……ッ。まだ反撃に来ないのかい? いい加減、あっしの事を舐めすぎだよぉッ。これでもまだ余裕を見せれるなら、大したもんったい!」
「うお!?」
天空から落ちてきた盾が地面に突き刺さり、土砂を巻き上げる。
風と不快な土塊のせいで、正気に戻されてしまった。
「避けに徹するだけならなんとかなったが、フランも心配だしそろそろ戦り合うか」
目眩ましを逆に利用しようと体勢を低くして突っ込む。
しかし、放たれた物は風切り音から察すると直撃コースだ。
投擲物の気配は二つあるけど、多分どちらも囮だろうな。得意のコンボなのだろう。
「ぬッッ」
ステップで躱した瞬間、誤算が露呈する。
馬鹿デカい盾が吹き飛ばしたせいで、進行方向にぬかるみができていたのだ。
片足が取られ、バランスを崩す。大きな声で居場所がバレないようにするのが精一杯だ。
「そこォ!」
「バレテーラっと!」
いわゆる、マト○ックス避けで正面から飛んできた盾を避ける。
踏ん張ったせいで、さっきよりも片足が埋まってしまった。うへぇ、ぐにゅっとした感触が、なんとも言えないな。
轟音を響かせて、追撃の盾が飛んでくる。あまりの質量と速さで、空気と小枝を粉砕して迫ってきているからだ。
――今更だが、盾は飛ばす物でもブーメランでも武器でもない筈なんだけどなぁ!
「あらよっと」
ブリッジをするかのように更に体を仰け反らせる。
体の後方に剣を突き刺し、オレは縦に半回転した。その途中で、追撃に当たらないよう直立不動となる。筋トレ大好きな脳筋キャラがやりそうな姿勢だ。個人的には忍者を少しばかり意識している。
「なんと! アイザック君、まるで曲芸師みたいだよぉ」
「お前が言うな! 盾は体を守るもんで、敵に投げつけるもんじゃねェ!!」
一部、シールドスローなどのスキルがMMOやスキル制の異世界ではあるかもしれない。
だが、ここは無駄に現実的な世界だし、そもそもゲームだろうと盾を投げるのがメインなキャラとかネタの極みだろうがっ。
「それは、解釈違いってやつったい」
「それが解釈の違いで済むなら、世界はよっぽどはみ出し者に優しいん、だろ、うなっ!」
――ギィィンッ
戻ってきた盾と追撃とばかりに放たれた盾を避け、ついでに接近していたワプルに剣を叩きつけた。
こいつ、普通の使い方もメチャクチャ巧ぇな。
「お嬢もお待ちだろうし、そろそろラッシュを掛けるとするよぉ。勝ったらアイザック君はあっしのものったいッ」
「まだ向こうも決着は着いてねぇだろうよ。オレの嫁舐めんな! そろそろ決めんのは同意だが、な!」
雑木林を隔てた向こうには、和風氷魔法使いのメロディー・スターシアとやらと、オレの愛妻フランチェスカ・キャンベルが対決している。寧ろ、こっちがメインバトルと言える。
炎と氷がぶつかり合う音。それは先程まで響いていた。
今は静かだが、魔力が練られているのは遠くからでも感じる。
オレを賭けた決闘は、まだ続いているようだ。
ホント、どうしてこうなったかなぁ。
定期紛失したり、トラブルの流れ弾被弾したり、キーボード破損etcと、大殺界全開な鷹崎ですが、仕事も少しだけ落ち着いたので今後もよろしくお願い致しますヾ(o゜ω゜o)ノ゛
余談ですが、小説大賞の感想って感想返しすべきなんでしょうか……。したとしてどう返せばいいのか(o´・∀・)o




